1993 Fiscal Year Annual Research Report
環境浄化をめざす一酸化炭素の有効利用に関する基礎研究
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05640669
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
伊藤 朋泰 大妻女子大学, 社会情報部, 教授 (20087109)
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Keywords | 一酸化炭素 / 環境浄化 / オリゴマー / 酸化マグネシウム触媒 / 吸着 / 配位不飽和 |
Research Abstract |
環境問題に関連して行なった、酸化マグネシウム触媒上での一酸化炭素の有効利用に関する研究の平成5年度における実績の概略は次の通りである。 1.測定装置の組み立て・立上げの面では予定通り進行しほぼ完成している。まず、昇温脱離装置は本研究費で購入した高性能のパーソナルコンピュータを併用することにより精度よく測定することが可能となった。また赤外分光器については、本研究費で購入した高感度検知器が十分威力を発揮可能であることがわかった。 2.触媒表面には数種類の吸着種が生成するが、これらは何れも一酸化炭素の1〜4量体(オリゴマー)である。従来存在すると言われていた6量体は鎖状4量体であることがわかった。 3.触媒反応の活性点として表面の配位不飽和イオンが関与している。 4.単量体は室温以下の低温でしか安定に存在できないが、最も大量に存在可能である。 5.2量体はその存在の確認が最も困難であるが、2量体の生成がオリゴマー生成の鍵である。 6.熱的に安定で大量に生成する吸着種は3量体であり、ついで4量体である。 7.3量体以下の吸着種は一酸化炭素の濃度が希薄でも容易に生成可能であり、また吸着温度は室温より低い方が望ましい。 8.しかし、上記の各種吸着種を生成物として触媒表面から単離させることには成功していない。オリゴマーを安定化させるなどの工夫が必要と思われる。
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Research Products
(1 results)