1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05640799
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Research Institution | The Japan Snake Institute |
Principal Investigator |
鳥羽 通久 財団法人日本蛇族学術研究所, 主任研究員 (40109856)
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Keywords | ハブ属 / 分類 / 染色体 / 骨学 / 雄性生殖器の形態 / 鱗表面の微細構造 |
Research Abstract |
東南アジア地域からの生体の入手が課題であったが、インドネシアと中国からハブ類を入手する見通しが立った。染色体の研究では、まず新たにビルマアオハブ、タイワンアオハブ、シロクチアオハブ、ムラサキハブの核型を明らかにした。すべて2n=36で、ハブを含む種群と変わらず、第二染色体の腕比でヒメハブとは若干の差がある。サキシマハブとトカラハブは、CおよびGバンド染色において、ハブと変わらず、ヒメハブとは違う。先にあげた4種は、Cバンド染色においてはハブと変わらなかったが、Gバンド染色では明らかな違いが見られた。頭骨の検討では、ハブ群、ヒメハブ群、ヨロイハブ群が翼状骨-上顎骨系の形態で区別されたが、さらに緑色の樹上性の種の一群が、ハブ群の中に区別された。しかし、雄の交接器の形態では、全体が2群に分かれ、頭骨の形態による分類とは一致しないところがある。おおざっぱに言うと、短くてトゲを持つものと、長くてトゲを持たないものに2分されるが、ただセイロンハブのように、やや長くてトゲを持つものもあり、こういった中間形を今後検討する必要がある。鱗の表面構造では、走査電顕ばかりではなく、光学顕微鏡もある程度使えることが分かった。ハブ群は細長い細胞で構成されているが、上にあげた樹上性の種とヒメハブでは細長くない。また、ヨロイハブは極めて特殊で、粒状の突起と細長い網目状のしわの組合わさったものになる。以上の結果から、現在、ハブ群、タイワンアオハブ群、シロクチアオハブ群、ヒメハブ群、ヨロイハブ群の5つを認めている。
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