1994 Fiscal Year Annual Research Report
大気圧プラズマと水溶液ミストを用いた機能性無機酸化物薄膜の合成と評価
Project/Area Number |
05650050
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Research Institution | Nagaoka Yniversity of Technology |
Principal Investigator |
丸山 一典 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (00143826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 喜一郎 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (80100999)
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Keywords | 大気圧プラズマ / 高周波プラズマ / 水溶液ミスト / 酸化亜鉛 / 配向膜 / スパッタ |
Research Abstract |
本研究では大気圧プラズマと噴霧ミストという従来では考えられない組合せにより、高品質の機能性薄膜を低コストで簡便に合成する方法を開発することを目的とし、以下の研究成果を得た。 大気圧プラズマを発生させるパイプ型プラズマ管として管外径6mm、管内径4mmの石英管に幅6mm、厚さ0.2mm、長さ30cmの銅板電極を螺旋状に巻いたものを作製して使用した。本薄膜作製法の基本的性質を検討するため、大気圧プラズマを発生させるガスとしてヘリウムガスおよびアルゴンガスを用い、薄膜原料として硝酸亜鉛水溶液を用いて配向性酸化亜鉛薄膜の合成について検討した。その結果、基板温度が100〜200℃で軸配向性酸化亜鉛薄膜を作製できることが分かった。配向性の薄膜を作製するためにはプラズマガスとしてアルゴンを用いることと、中間加熱炉でミストを水蒸気にした後0℃以下の冷媒を循環した冷却管を用いて水蒸気をできる限り除去することが非常に重要であることが分かった。今後本方法により他の材料、特に多成分系薄膜の作製を試みる予定である。また、大気圧プラズマの代わりに抵抗加熱炉(300〜500℃)を用いて薄膜作製を試みたところ、プラズマの効果は気相中の粒子の粉砕作用(スパッタ)であると考えられた。そこで上記の研究と並行して大気圧アルゴンプラズマを用いた大気圧スパッタ法による薄膜作製を試みた。放電管の内部に酸化亜鉛を塗布し、アルゴンガスを送りながら高周波電力を印加すると、放電管出口に設置した加熱ガラス基板(100〜400℃)上にc軸配向性酸化亜鉛薄膜が生成した。この方法は作製しようとする無機酸化物材料を原料として用いられるので、原料の調達や毒性の点でも優れた薄膜作製に発展するものと考えられる。
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