1993 Fiscal Year Annual Research Report
コースティックス法によるセラミックスの動的強度評価法に関する研究
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05650095
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
清水 紘治 関東学院大学, 工学部, 教授 (00005373)
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Keywords | 実験応力いずみ解析 / コースティックス法 / 破壊力学 / セラミックス / 動的破壊じん性 / 高温動的破壊 / 強度評価 / 応力拡大係数 |
Research Abstract |
イメコン790の超高速度カメラにコースティックス法と高温炉を組み合わせた装置により、常温から、ある程度の高温までのコースティック像を得ることができた。ジルコニアセラミックスでは1000℃までの温度において、静的から、クラックの伝搬速度で約2km/sまでコースティック像を得ることができ、この像から、破壊の様子を解析し、動的破壊じん性値、伝搬するクラックの動的応力拡大係数を解析することができた。窒化ケイ素セラミックスについては表面状態が悪いので反射光が弱く、コースティック像を得ることが困難であったが、1000℃近くまでは高出力のレーザー光の使用により、撮影できる可能性があることを確かめ、この温度までの動的応力拡大係数の解析を試みた。 コースティック像の解析には、基本的には拡大投影機を用いたが、画像処理装置による解析も検討した。最初に、画像処理装置の基本的操作に習熟するとともに、二値化、細線化によってコースティック像の形状、寸法の測定が容易に行えることを確かめた。また、光学定数の精度を上げるために、レーザー光を用いた非接触法によりヤング率とポアソン比を求める方法を検討し、基本的関係式を導出するとともに、比較的実験を行いやすいアクリル板および鉄鋼材料を用いて実際に測定を行い、かなりの精度で測定が可能であることを明らかにした。さらに、破壊とともに発生するAE波形の撮影を行い、基本的な可視化像の撮影が可能であることを確かめるとともに、AEセンサーにより、AE波形の測定も試み、この波形と可視化像の対比も行った。その結果、コースティック像から得られるクラック速度あるいは応力拡大係数とAE波に基づく可視化像を比較検討することにより、セラミックスの動的破壊挙動がより詳細に解析できる可能性があることが分かった。
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