1993 Fiscal Year Annual Research Report
大型形状記憶型製品への道(Cu-12%Al合金の加工性)
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05650105
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Research Institution | Kochi National College of Technology |
Principal Investigator |
藤原 正二 高知工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (90026328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 伸太郎 , 教授 (60044202)
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Keywords | 形状記憶 / 加工性 / 結晶粒 / 相変態 |
Research Abstract |
本年度はCu-12%Al合金を高周波真空溶解炉にて溶製し、鋳造した状態での機械的性質を調べ、これに基づいて約700℃に加熱後、断面減少率10%から70%の加工を行った。強化工材については、途中で再加熱を併用した。この結果、30%加工まではほとんど内部組織の変化は光学顕微鏡観察では認められなかったが、50%から70%加工にかけては著しい結晶粒形の変形に伴うスリップバンドが観察された。試験片の温度履歴については、組織的には予想より影響が少ない結果を得ている。なお、加工前の切削による薄板材では曲げ加工は早期破断のため不可能だったのに較べ、強化工材では形状記憶現象を数回繰り返すことが確認された。また、定電流発生装置(100mA)と急速加熱用反射炉とを用いた連続加熱・冷却中(<600℃)における電気抵抗測定結果において、マルテンサイト相およびbeta相における変態温度を測定した。加工による影響は変態温度については大きな差がないことが判明した。 合金の結晶粒微細化効果を目的としてボロン(<0.05%)およびFe(<0.5%)を添加した合金について、組織観察を行った結晶粒形が数分の1になることが確認された。しかし、まだ十分な塑性変形能は得られていない。この原因は、結晶粒が混粒になっていることおよび添加元素の結晶粒界への影響などであると判断し、添加量の検討等を行っている。高温での変形挙動については、変形抵抗は著しく低下し、加工が容易になることが判明したが、加工硬化が起こらないため均一変形が困難であることが明らかとなった。
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