1994 Fiscal Year Annual Research Report
燃焼場における二酸化窒素の生成機構とその低減法の基礎研究
Project/Area Number |
05650208
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
堀 守雄 拓殖大学, 工学部, 教授 (40013685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 直樹 拓殖大学, 工学部, 助教授 (10199820)
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Keywords | 窒素酸化物 / 二酸化窒素 / 大気汚染 / 燃焼 |
Research Abstract |
二酸化窒素(NO_2)は窒素酸化物(NO_x)の中でも毒性が強く、ガスタービンや家庭用燃焼機器から直接排出されることが分かってきた。本研究はNO_2の燃焼場における生成機構を基礎的に解明し、その低減法の指針を得ることを目的として行われた。5年度の研究では、流動反応器を試作し、反応温度一定の実験により、微量のC_1〜C_3炭化水素がNOからNO_2への生成を促進することを明らかにした。6年度の研究では、この点に注目した実験および計算を進め、以下の主な成果を得た。 1.炭化水素の濃度や反応温度などをパラメータとし、NO初期濃度20ppm、反応時間1.46秒までの条件で行った流動反応器の実験の結果は次のようにまとめられる。 (1)炭化水素の濃度がゼロか非常に低いとき(<10ppm)はNO_2はほとんど生成しないが、濃度を増加すると反応初期の生成速度が急増し、特に、C_2H_4、C_3H_8の効果は大きく、NO_2の割合は最終的に90%以上に達する。 (2)反応温度の上昇により炭化水素の分解は単調に加速され、それに伴ってNO_2の生成は促進されるようになるが、反応温度1000K以上では反応初期に生じたNO_2が還元されるので、採用した5種類の炭化水素では、反応時間1.46秒でNO_2が存在できる温度範囲は、比較的低温の600K〜1100Kに限られる。 2.炭化水素を考慮した反応計算では、炭化水素によりNO_2の生成が促進される実験結果を定性的に説明できる。 3.本研究の結果から、NO_2の排出を低減する方法としては、燃焼器内で完全燃焼を達成して比較的低温の酸化領域に未燃成分を存在させないこと、NO_2の生成を促進する効果の弱い燃料(CH_4など)を使用すること、などが提案できる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 堀 守雄: "流動反応器によるNO-NO_2変換の基礎研究" 機械学会第71期通常総会講演論文集. III. 520-522 (1994)
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[Publications] 堀 守雄: "燃焼場における二酸化窒素生成機構の基礎研究" 拓殖大学理工学研究報告. 4. 231-236 (1994)
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[Publications] 堀 守雄: "流動反応器を用いたNO_2生成機構の研究" 第32回燃焼シンポジウム講演論文集. 206-208 (1994)
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[Publications] Morio Hori: "Fundamental Study on the NO_2 Formation in Combustors:The Mechanism of the NO_2 Formation Promoted by Unburned Species" International Gas Turbine Congress. (1995)