1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05650249
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Research Institution | Kurume Institute of Technology |
Principal Investigator |
久保 省藏 久留米工業大学, 工学部, 教授 (10038078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角 誠之助 久留米工業大学, 工学部, 教授 (10037947)
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Keywords | 遠心分離機 / 分割空洞 / 自励振動 / 液体力 / 回転体 / 境界層 / 外部減衰 |
Research Abstract |
最近の生物工学等の目覚ましい発展に伴い、高速化、大容量化の要求が高まりつつある二液式高速遠心分離機の開発に対して大きな障害となっている自励振動の防止策、特に外部減衰の効果について調べた。本研究は液体の波動の伝播を抑制するためにドラムを半径方向に仕切った装置を対象としている。 得られた結果を要約すると、(1)この装置のように分割空洞内を比重の異なる2種類の液体を満たした中空回転軸は軸回転数が系の危険速度と液体の固有振動数との和に近い領域で、かつそのような領域でのみ、系の危険速度にほぼ等しい振動数を持った自励振動が発生する危険性がある。(2)系に作用する外部減衰を大きくすると自励振動は小さくなり、その発生する回転数域も狭くなる。そして、割合弱い減衰で抑制できる。(3)空洞分割数を増すと不安定域は高回転数側に移行し、液体の1次の固有振動数が軸回転数を超えると系は安定化する。空洞分割数が多いと自励振動はかなり弱い減衰で抑制されたり、現実的には観察されない場合が多い。(4)液体波動のモード次数が多い場合や液体間の密度数が小さい場合は容易に抑制できる。(5)この種の装置の自励振動防止の基本的で、効果的な手段は空洞の分割数を多くし、かつ外部減衰を効かせることである。(6)理論的な解析でも減衰を大きくすると不安定領域が狭くなり割合弱い減衰で安定化できる可能性がある。 なお、空洞分割を不均等にした場合は非減衰、非粘性による理論解析では自励振動発生域を分散させるのみで根本的には安定化できない。しかし、基本的な実験では分割の仕方によっては各領域での自励振動は弱く、また、その発生領域が狭くなる傾向にある。したがって、現実的には分割方法と外部減衰との組合わせによりかなりの抑制効果が期待できるが、今後の検討課題である。
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