1994 Fiscal Year Annual Research Report
周波数逓倍法を用いたアレイアンテナの小形化に関する研究
Project/Area Number |
05650362
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Research Institution | Musashi Institution of Technology |
Principal Investigator |
安部 實 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (20061541)
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Keywords | アレーアンテナ / 位相差拡大 / 周波数逓倍 / 指向性アンンテナ / 小形化 / 素子間隔縮小 / 自動同相化 / 方向探知 |
Research Abstract |
受信用アレーアンテナの各素子アンテナの受信信号周波数をn逓倍すれば素子間位相差はn倍になるため素子間隔を縮小しても指向性合成機能が得られる。この機能を応用し、受信用アレーアンテナの小形化を目指して2年間の研究課題として進めてきた。2年目の本年は回路上の問題点の検討および本法を用いた2素子自動同相化アレーアンテナの動作確認を課題とした。まず、周波数逓倍回路(出力周波数10MHz)を通した2信号間の入力信号レベルによる位相差変化を調べた。PLL(NE564N)を用いた試作回路では約10mV以上の入力信号レベルで動作するが、300mV以下では位相変化が大きく、逓倍数が増すほどその変化が拡大する。PLLが安定に動作できる入力信号レベルは、2逓倍で300mV以上、10逓倍で500mV以上が必要である。周波数2逓倍器(FD25C)では入力電圧150mV以上が必要であるが、位相差変化は2deg以内でPLLの場合より少なく、安定な動作に有効であるものの逓倍数を大きく取れない欠点がある。次に、周波数2逓倍器を用いて素子間隔を1/2にした2素子自動同相化アレーアンテナでは、アンテナ間の相互作用による位相変化が生じるが、補正を行えば電波到来方向に最大感度を有する周波数逓倍法を用いた自動同相化アレーアンテナが実現できることを、ディジタル移相器(DP-36)を用いた実験により確認できた。しかし、周波数逓倍法を用いる方法は、反射波等の複数の到来電波の合成波に応答する欠点が明らかになり、単一到来波の方向探知機への応用が最適であることが分かった。そこでアンテナの正三角形配置の位相差検出法による方向探知機の受信信号周波数を4逓倍して、到来角の検出精度を損なわずに、アンテナ間隔を17%に低減できることを確かめた。
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Research Products
(1 results)