1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05650562
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Research Institution | Kanagawa university |
Principal Investigator |
寺尾 道仁 神奈川大学, 工学部, 教授 (40013198)
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Keywords | 音場予測 / 境界条件設定 / 複雑な物体 / 音響特性 / ホログラム / 粒子速度観測 / 境界積分法 |
Research Abstract |
前年度の研究により本観測手法の理論的妥当性が確認できたため,本年度は建築音場解析上最も重要な対象の1つである3次元空間内の在室者の音響特性ホログラムの観測の実現を目指し,まず,厳密解が得られる3次元実寸の人体模型を作成し,それを包むホログラム面および補助仮想面として各々面素数M=40およびN=20を設定し,このホログラム閉領域内に2(M+N)=120個および参照音圧用4個のマイクロホンを配置してラウドスピーカおよび反射板配置により40通りの音場条件下これらの音圧測定を試みた。以上における124点の音圧観測のためのエレクトレットマイクロホンのうちの110本,これらと現有の16系統高速フーリェ変換システムとのパーソナルコンピュータを用いたスイッチング回路構築用部品およびマイクロホン電源部品およびそれらの固定用ワイヤーフレーム部品類を本補助金により購入した。しかし,この音圧観測値を用いて各々の音場毎にM個の面素音圧・粒子速度をKirchhoff-Helmholtz積分方程式により逆解析し,これから構成されるM^2個の連立一次方程式を解いてM^2個の未知インピーダンス,すなわち,特性ホログラムを求めた結果,数値実験のそれとを比較して甚だしい不一致がみられた。そこで,前年度の2次元空間内の座席模型により特性ホログラム観測精度の向上のための最適音圧観測点配置について124点の音圧観測点を設け詳しく調べることにした。数値実験の結果,この閉曲面内音圧観測点は各ホログラム面素の中心および辺の近傍の観測点群を選択するとき特性ホログラム観測精度が向上する指針が得られた。ただし,この数値実験と同一条件の物理実験結果は数値実験の予測精度に達してない。両実験の相違点として実際のマイクロホン膜面は面積が無限小扱いできないこと,各マイクロホン特性の感度補正誤差の存在が考えられるため,それらを含めるためのサブルーチンおよび実験の追加を行っている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 寺尾道仁: "複雑な音響要素の特性ホログラムの観測法" 日本建築学会学術講演梗概集. 1691-1692 (1994)
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[Publications] Michihito Terao: "Boundary element approach to determine acoustical properties of Helmholtz resonator openings" Proceedings of the international congress on noise control engineering. (to be appeared). (1995)