1995 Fiscal Year Annual Research Report
『類聚雑要抄』『類聚雑要抄指図巻』の住宅史的・文献学的研究
Project/Area Number |
05650604
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Research Institution | Hokkaido Institute of Technology |
Principal Investigator |
川本 重雄 北海道工業大学, 工学部, 教授 (40175295)
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Keywords | 寝殿造 / 調度 / 『類聚雑要抄』 |
Research Abstract |
本研究の最終年度に当たることから、これまでの研究成果のうち、『類聚雑要抄』に関わる成果を報告書としてまとめた。 報告書に収めた成果は以下の通りである。 (1)『類聚雑要抄』の編者の確定…『類聚雑要抄』の作者についてはこれまでも研究があったが、その誤りを指摘した上で、左大臣藤原頼長の家司藤原親隆がその編者であることを明らかにした。 (2)『類聚雑要抄』の内容の検討…『類聚雑要抄』各巻の内容を詳細に検討することによって、それぞれの巻の成り立ちに違いがあることを明らかにした。すなわち、巻1は藤原親隆自身が饗饌に関する原史料を編纂して作成されたものであるのに対して、巻2は先行する室礼に関するいくつかの編纂史料を元に、それに親隆が新しい史料をいくつか加えて1巻としたものであること。また、巻3は藤原忠通の五節舞姫進上の定文とその前後の記録を集めたもので、親隆自身が編纂したというより、それ以前に編纂されていた資料を単に『類聚雑要抄』に加えたに過ぎないと思われること。そして、巻4の調度目録も、11世紀中頃には成立していた資料で、親隆は記事中にコメントは書き込んではいるが、実質的にはこれも摂関家伝来の資料を単に加えただけのものであることなどを明らかにしている。 (3)『類聚雑要抄』の編纂時期…『類聚雑要抄』の内容や個々の記述の検討から、それが久安2年(1146)に編纂されたことを明らかにした。 (4)『類聚雑要抄』の本文の校合…京都大学菊亭家本を底本とし、群書類従本や内閣文庫本を校本として『類聚雑要抄』本文の校合を行い、その結果を報告書に掲載した。
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Research Products
(1 results)