1994 Fiscal Year Annual Research Report
新しいBi_4Ti_3O_<12>系セラミックスヒーターの発熱機構の解明
Project/Area Number |
05650666
|
Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
岡田 益男 東北大学, 工学部, 教授 (80133049)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 煕巳 東北大学, 工学部, 助手 (70005289)
杉本 輸 東北大学, 工学部, 助教授 (10171175)
|
Keywords | PTCRサーミスター / セラミックスヒーター / Bi_4Ti_3O_<12>化合物 / 発熱機構 |
Research Abstract |
平成6年度は、Bi_4Ti_3O_<12>(Tc=675℃)強誘電体セラミックスが5mole%Nb添加により半導体化し、かつ270℃付近で3〜4桁の比抵抗が上昇するPTCR特性を発現する機構について解明することを、主たる目的に実験を行った。また、このPTCR特性は作製された全ての試料においてでなく、一部の試料においてのみ観察されているので、PTCR特性を安定に発現させる作製条件を確立することについても検討した。 まず、PTCR特性を安定に発現させる作製条件として、Srを添加することが有効であることが判明した。また、発現機構解明を目的として、Sr添加試料につき、組織観察、X線回折、インピーダンス解析を行った。 組織観察の結果、PTCR特性の発現する試料は、表面近傍にTiO_2とBi_2Ti_4O_<11>相が存在し、表面より数十μm内部より金属Biが存在する。その大きさは外周部に近いほど大きく、内部では微細に分布している。インピーダンス解析の結果、比誘電率は、PTCR発現温度で急激に減少し、この温度はBi金属の融点と一致する。すなわち、本系のPTCR特性発現機構は、低温時には電流が比抵抗の小さい微細に分散したBi金属を優先的に流れ、270℃付近でBi金属が融解すると、母相とBiの界面にバリアが生じ、電流は流れにくくなり、母相であるSrBi_4Ti_4O_<15>相の比抵抗を示したものと考えられる。この界面のバリアの性格については、さらに検討する必要がある。
|