1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05650735
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
香川 明男 長崎大学, 工学部, 助教授 (00093401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 芳一 長崎大学, 工学部, 教授 (50026019)
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Keywords | 超高圧 / 高圧状態図 / 凝個膨張型元素 / 高圧相 / アモルファス |
Research Abstract |
凝個膨張型元素同士の組合わせで、結晶構造も同一のBi-Sb系は全率固溶体を形成し、凝個膨張量がSb濃度の増加とともに減少することが予想されたので、凝個膨張量とSb濃度の関係を調べるために赤外線変位センサ装置を作製した。本装置によりBi-Sb合金の凝個膨張率を測定した結果、凝個膨張率は下に凸の緩やかな曲線でSb濃度とともに減少することが知られた。この結果をもとに、Bi-10,20,30at%Sb合金を約65kbarの高圧下で溶解・凝個された。これらの合金のX線回折図形には、特定の条件において強度値の小さくなった常圧相のピークのほかに約30-40°にブロードなピークが認められ、数時間で常圧相のピーク値が戻る現象がみられた。しかし、このような現象の再現性は低く、高圧負加ならびに冷却条件に大きく左右されることが知られた。また、純Biにおいて知られている高圧相はSbを含む合金の高圧凝個試料の常温1気圧においては認められなかった。高圧凝個試料の組織観察と溶質濃度分布の測定から高圧状態図について検討した結果、これらの合金の凝個過程は冷却速度と除荷速度に大きく依存することが予想された。他方、Bi-In系の20at%In合金の高圧凝個試料のX線回折図形には50at%In合金においてみられた高圧相のピークは認められなかったが、Bi/BiInの共晶量の増大がみられたことから、BiIn相は約65kbarの高圧においても安定に存在し、組織の定量からもとめた共晶組成からBi/BiInの共晶近傍の高圧状態図を推定した。これらの合金系ならびにBi-Sn系における高圧相の存在に関しては、さらに高圧状態図の推定とともに再現性を確認する必要があるが、アモルファス化の機構は高圧相の存在ならびに冷却・除荷条件が重要な因子であることが知られた。
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