1993 Fiscal Year Annual Research Report
付着固定化増殖細菌の超臨界点に於る増殖特性に基づくバイオリアクターの最適操作設計
Project/Area Number |
05650794
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
森 明彦 新潟大学, 工学部, 教授 (90230060)
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Keywords | 固定化増殖微生物 / バイオリアクター / 酢酸発酵 / エタノール発酵 / 増殖生産連動性 / 付着固定化菌 / Zymomonas菌 / 放物線相関 |
Research Abstract |
1.当年度は、酢酸菌、枯草菌、Zymomonas菌についてそれぞれ基礎的な検討を行った。 2.酢酸菌についてはガラス製流動層型バイオリアクターを用いた連続培養の結果、固定化増殖菌は比増殖速度μと比生産速度ρがともに遊離菌のバッチにおける最大比増殖速度μ_<max>(>D_<crit>臨界希釈率)よりはるかに高い同一の希釈率でピークを示した。これに対し非固定化菌ではμもρもピークを示す希釈率がはるかに低く、その値も低かった。また、固定化増殖菌のμとρの相関はρ=aμ^2と正放物線相関で示され、非固定化菌の負放物線相関ρ=b'μ-cμ^2と著しく異なった。酢酸発酵においてはρはQo_2と比例していることから、固定化増殖菌は菌体増殖に対する酢酸生成の割合が高いので、酢酸生産のためには有利であることを示している。 3.枯草菌についてはガラス製流動層型バイオリアクターを用いた連続培養によりα-アミラーゼの連続生産を行ったが、当年度は優先合成による酵素生産の連続化の条件設定を行うにとどまった。 4.Zymomonas菌についてはカラム型固定層バイオリアクターを用いてエタノール連続生産を行い、固定化増殖菌の生産性が増殖連動型であり、各希釈率に対するμと生産性r_pのピークはバッチの最大比増殖速度μ_<max>よりもはるかに高い希釈率で示され、それぞれ一致した。また最適グルコース濃度で三槽連続培養を行い、高い希釈率で流加すると三槽全体の生産性は単槽の1/3よりはるかに高く、11h^<-1>で最高値を示した。生産物濃度も8h^<-1>までは僅かの低下に止まった。これは高い活性を持つ固定化増殖菌が大量に固定化されているからであると考えられ、高い生産性と生産物濃度を共に得る方策が固定化増殖菌を用いて高い希釈率での連続培養で達成されることが示唆された。
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