1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05660265
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
中曽根 英雄 茨城大学, 農学部, 教授 (70015783)
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Keywords | 地下水汚染 / 硝酸態窒素 / 土壌処理 / 脱窒 |
Research Abstract |
我が国の水道用水源の30%程度は地下水である。この地下水は、河川などの表流水に比べ、きれいであるというイメージが定着していた。しかし、我が国農業の構造的変化の影響を受けて、地下水の汚染が進行しつつある。特に、窒素肥料を多量に施肥する野菜畑や畜産地帯の畑の地下水に、窒素肥料の残存物である硝酸態窒素濃度の高い地下水が検出去れるようになってきている。現在、我が国の上水道の硝酸態窒素濃度の基準値は、10mg/l以下とされているが、上流に野菜畑、果樹園、畜産が点在するような地域の地下水の硝酸態窒素濃度に、20mg/lを越えるような地帯が数多くみられるようになった。そこで、本研究は、我が国では良く知られている水田土壌による硝酸態窒素の脱窒を装置として利用できないかと考え、それを研究した。実験は、縦180cm,横60cm,奥行45cm、の水槽の中に厚さ2.5cmの水田土壌を40段程度に設置して、その上を水が1.5cmの厚さで流れるという構造で行った。土壌による脱窒は、水温に大きく依存し、水温が低下すると著しく低くなるといわれている。地下水の脱窒を想定すると、我が国では地下水の水温は15℃前後であるので、この水温で窒素除去が可能であればよい。そこで、水温を15℃に恒温水槽で保ち、その水に硝酸態窒素が20mg/lになるように投入し実験を行った。脱窒にあたって、水素源の供給が必要であるが、グルコースをC/N比、3:1になるように投入した。その結果、滞留時間10時間で、ほぼ100%近い硝酸態窒素が除去されることが判明した。したがってこのような装置で水道用水源の窒素除去は可能であるとの結論を得た。
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Research Products
(1 results)