1993 Fiscal Year Annual Research Report
鼻・喉頭粘膜におけるC線維の感覚受容機構と神経ペプチドの放出に関する研究
Project/Area Number |
05660339
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
局 博一 東京大学, 農学部, 助教授 (30142095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑原 正貴 東京大学, 農学部, 助手 (30205273)
土井 邦雄 東京大学, 農学部, 教授 (70155612)
菅野 茂 東京大学, 農学部, 教授 (70111482)
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Keywords | 鼻粘膜 / 三叉神経 / C線維 / カプサイシン / ヒスタミン / 喉頭 / モルモット / ラット |
Research Abstract |
鼻粘膜の感覚を支配する三叉神経、および喉頭粘膜の感覚を支配する上喉頭神経には、触刺激、温度、圧力、呼吸筋運動に応答する神経受容器が存在することを明らかにし、それらの受容器を介する反射機構を追求してきた。今回の研究課題では、鼻粘膜および喉頭粘膜の侵害受容に関与すると思われるC線維の活動記録を通じて、各種化学的刺激に対する応答能と刺激伝導特性を明らかにした。 1)鼻粘膜:モルモット鼻粘膜の篩骨神経から、合計36本の単一神経活動を記録した。C線維を選択的に刺激しうるcapsaicin(0.3mM)を作用させたところ、19本(53%)が明瞭に刺激された。一方、ammonia(1.5M)およびnicotine(6mM)に対してはそれぞれ17本、6本が刺激された。同一の神経線維が2種類以上の物質に応答する交差反応も認められた。capsaicinとnicotineに対する応答様式は放電が長時間持続する遅順応型を示す一方、ammoniaに対しては放電が一過性に終わる速順応型を示した。前者の応答は、鼻粘膜のかゆみ、充血、鼻汁分泌などに、後者の応答は痛み感覚などに関与することが推測されるとともに、いずれもくしゃみ反射の誘発に欠かせないものと思われる。実際capsaicinの反復投与によりC線維が脱感作されたモルモットでは、くしゃみ反射の誘発がかなり困難になった。また、正常な鼻粘膜に高濃度のbradykininやhistamineを作用させても、明瞭な神経応答を示さないことが解った。 2)喉頭粘膜:モルモットおよびラットの喉頭粘膜にcapsaicin(100μg/ml)またはhistamine(200μg/ml)を作用させ、呼吸循環反射と上喉頭神経求心性活動を記録した。capsaicinの作用では、いずれの動物種でも強い呼吸抑制、血圧降下、徐脈が生じたが、とくにラットでは著しかった。ヒスタミンは、一部のモルモットに対して軽度の呼吸抑制を生じたが、ラットに対しては何等の効果がなかった。これらの成績は、両動物種(とくにラット)において喉頭粘膜にC線維が多く分布するという知見や、ラットにおいてはモルモットほどirritant receptorが見いだされないという知見に一致する。神経活動記録では、capsaicinに対して強い応答を、histamineに対してはモルモットで弱い応答が示された。histamineの全投与によりcapsaisinに対する応答性が増強されることも明らかになった。
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Research Products
(1 results)