1994 Fiscal Year Annual Research Report
基底核の単一神経細胞における受容体mRNAの複数同時発現について
Project/Area Number |
05670569
|
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
藤本 健一 自治医科大学, 医学部, 講師 (50238614)
|
Keywords | 基底核 / 線条体 / コリン作動性神経細胞 / 介在ニューロン / choline acetyltransferase / GAP-43 / mRNA / in situ hybridization |
Research Abstract |
当初、種々のドーパミン受容体蛋白のmRNAin situ hybridization にて基底核の神経細胞における同一神経細胞での同時発現を検討していたが、上記内容について先を越されて発表されたため、さらにその内容をplasticitiyとmRNAの同時発現へと広げた. 基底核神経細胞は海馬神経細胞や小脳神経細胞と比べ可塑性に乏しく、一般には可塑性の研究には向かないと考えられている.可塑性のマーカーであるGAP-43 mRNAの発現は、ノザンブロットなどの基底核すり潰しによる研究では底値を示すが、基底核の全ての神経細胞で低いわけではないことを我々は、GAP-43 mRNAのin situ hybridizationで確認した.GAP-43 mRNAが基底核のどのような神経細胞群に現れているかを確認することは基底核の可塑性を考える上で重要であると思われその研究を進めた.まずこのGAP-43 mRNA陽性神経細胞の形態よりこの神経細胞はアセチルコリンを神経伝達物質とするinterneuronではないかと予想した.このことを確認するためにはコリン系神経細胞に特異的なcholine acetyltransferase(ChAT)のmRNAをマーカーとしてのin situ hybridizationを行うことが、その確認方法として優れていると考え、さらにGAP-43 mRNAとChATのmRNAの同時発現を確認をするためミラーイメージ法によるin situ hybridizationを行った.その結果、高濃度GAP-43 mRNA発現神経細胞と高濃度ChATのmRNA発現神経細胞はほぼ一致する事が確認された.このことから基底核のコリン性interneuronは錐体外路系の可塑性において重要な役割を担っている可能性があると思われた。
|