1993 Fiscal Year Annual Research Report
膵灌流法によるMSG肥満マウスの膵beta細胞インスリン動態に関する研究
Project/Area Number |
05670692
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
衣笠 昭彦 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (90128702)
|
Keywords | 膵灌流 / 肥満 / MSG / インスリン |
Research Abstract |
出生後10%Monosodium-L-glutamateを5日間連続2mg/g皮下注射にて投与しMSG肥満マウスを作成した。体重は最初はMSG肥満マウスのほうが軽い傾向にあったが10週令から正常対照マウス(同量の生理食塩水を投与)より有意に重くなった。しかしnasoanal lengthとtail lengthは4週令から正常対照より有意に短くなり、マウスの肥満度を表わすLee Indexはすでに5週令からMSGマウスで有意に大きい事が示された。一方、MSG肥満マウスにおける高インスリン血症は8週令より生じていることが示された。このことより肥満の生じる直前の時期のインスリン分泌能を調べ、その特徴をつかまえられれば有意義である。そこで肥満および高インスリン血症の生じていない8週令以前のインスリン分泌能を検討することとした。マウスの膵灌流の手法を開発し、各種薬物に対する膵臓のインスリン分泌動態を調べたところ、未だ高インスリン血症の生じていない6週令のMSG肥満マウスで、すでに正常対照マウスに比べグルコースに対するインスリン分泌に差がないにもかかわらず、アルギニン刺激に対するインスリン分泌が有意に過剰反応を示すことが示された。次にアルギニン刺激に対してインスリンが過剰分泌することの原因検索のため、膵灌流液中の一酸化窒素代謝産物の測定を行うべく高速液体クロマトグラフィーを調整しているが、現時点では未だ測定しえてない。
|