1993 Fiscal Year Annual Research Report
小児期におけるプロラクチンの動態と分泌に関する研究
Project/Area Number |
05670707
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
高橋 弘昭 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50139763)
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Keywords | prolactin / perinatal period / seizures in children / Thyrotropin releasing hormone(TRH) |
Research Abstract |
prolactin(PRL)はヒトにおける乳汁分泌作用を主とし,他の動物では羊水保持,成長因子,水電解質バランスにも重要な役割を果たしていることが知られている。本研究では新生児期の種々の病態における成熟児及び未熟児のPRLの動態を通して,その生理的発達や役割を検討する目的で行なった。 在胎28週以降37週以前の未熟児では,血中PRL濃度は在胎週数と共に増加し,在胎37週以降の成熟児で最も高値となり,その後増加が停滞した。出生後約24時間は高値が持続しその後漸減しはじめ,生後6ケ月以降は成人男性と近似値をとった。prolactinは成長ホルモンと構造が類似しているものの,prolactinの成長因子としての役割は確認できなかった。 また,prolactinの視床下部-下垂体系分泌抑制機構が生後徐々に発達してくることが示唆された。成熟児仮死では仮死のないものと比較し有意に高値遷延を示したが,未熟児仮死では有意差を認めなかった。これは成熟児分娩仮死による低酸素状態が,下垂体門脈系を障害し,視床下部よりの抑制的支配が障害されたためと考えられた。未熟児ではprolactin inhibiting factor(PIF)による抑制的支配がまだ未発達段階で,視床下部-下垂体系への影響も少ないためと考えられた。 本年度は更にこの研究を発展させ,小児の痙攣性疾患でプロラクチンが高値をとることを発見し,その分泌調節機構のどのようなfactorが働いているのか,特にTRHとの関係を検討している。
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Research Products
(1 results)