1994 Fiscal Year Annual Research Report
自然発症糖尿病ラットを用いた自己免疫機序の移植膵に対する影響
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05671019
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
中井 一郎 京都府立医科大学, 医学部・第二外科学教室, 助手 (30188867)
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Keywords | BBラット / GVHD / 放射線照射 / 免疫寛容 / 膵移植 / 拒絶反応 / 自己免疫 |
Research Abstract |
骨髄移植群BBdラットに対し、WF・Lewis両ラットをドナーとして膵ラ島移植・膵移植を行った。ラ島移植では50-100日間正常血糖を維持できたが、膵移植ではレシピエントが死亡することが多かった。これは、骨髄移植により拒絶反応は防止可能であったもののchimerismを有するレシピエントに対し膵グラフトとともに移入されたリンパ球によりGVHDが発症したものと考えられた。このためドナーラットに対し、移行の24-48時間前にCo^<60>(1200Rad)を全身照射し、移入lymphoid cellのviability低下をはかった。このRadドナーの膵を骨髄移植BBdラットに移植したが。まず、Lewis-BBdでは、一部のみほぼ高血糖を示し残りは寛容生着した。一方、WF-BBdでは、約80%で高血糖を示したことから、移植膵ラ島の破壊にはグラフトのMHCが関与していることが示唆された。また、その移植膵組織の免疫組織学的検索により選択的B細胞破壊が確認された。また、糖尿病原生を強く有すると思われる糖尿病発症前(生後40日以内)BBdラットにRadドナーからの移植を行ったが、ここではラ島移植では非常に早く高血糖を来したのに対し、膵移植ではごく一部の例にしかもかなり遅くでしか発症せず、なんらかの保護機序があると推察された。このように、膵移植はIDDM患者を対象としているが、移植膵組織に対しても条件によっては選択的B細胞破壊が起こることがしめされ、将来極端な免疫抑制剤の減量が可能となった時期には注意すべき事項であると考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] I.Nakai,et al.: "Compariscn of MHC-incompatiple intraportal is let and vasalarized whole-pancreas transplantation in the prehypergly cemic〜" Transplantation Proceeding. 26. 738 (1994)
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[Publications] I.Nakai,et al.: "Occurrence and prevetion of Graft-vs-Host disease after pancueatico dus deual trausplautation in the BB rast" Transplantation Proceedings. 25. 965-967 (1993)