1994 Fiscal Year Annual Research Report
ケタミン反復投与のムスカリンおよびβ-アドレナリン受容体の発現機構の解明
Project/Area Number |
05671248
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
守田 敏洋 群馬大学, 医学部・麻酔・蘇生科, 講師 (30143233)
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Keywords | ケタミン / 反復投与 / ムスカリン受容体 / β-アドレナリン受容体 |
Research Abstract |
クロミプラミン反復投与(0、5、10及び20mg/kg,7日間)がムスカリン及びNMDA受容体に及ぼす影響をマウスを使用し分子生物学的および行動薬理学的手法で検討した。ムスカリン受容体の変化は前脳で受容体結合実験で観察した。NMDA受容体の変化は小脳においてグルタミン酸およびNMDA(NMDA受容体作動薬)刺激後のcGMPを測定した。行動薬理学的にスコポラミン(ムスカリン受容体拮抗薬)およびMK-801(NMDA受容体拮抗薬)の異所運動活性の変化を観察した。 <結果> 1.クロミプラミン反復投与(10及び20mg/kg)は前脳ムスカリン受容体の親和性を変化させないで[^3H]QNB(ムスカリン受容体拮抗薬)の総結合数を増加させた。この変化はスコポラミンの感受性の低下を伴っており受容体結合実験と一致した。 2.クロミプラミン反復投与(10及び20mg/kg)はNM A受容体を介するcGMP産生量(グルタミン酸およびNMDA刺激後)を低下させた。さらにこの変化はグリシン30μMを前処置すると大部分消失した。以上よりクロミプラミン反復投与はNMDA受容体複合体のグリシン結合部位がグリシン感受性が低下しNMDA受容体を介する神経伝達機構が低下していることが示された。しかし、MK-801の感受性には変化がなかった。 3.クロミプラミン反復投与(20mg/kg)は投与後5日でムスカリンおよびNMDA受容体の生化学的変化がともに検出できた。 以上よりクロミプラミン反復投与は薬理学的効果と副作用が同時に起こることが示された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Morita: "Dose-dependent effects of repeated hetamine admins tration" Journal of Anesthesia. in press (1995)
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[Publications] T.Morita: "Repeated ketamine administration produces up-regulation" Psycho pharmacology. 117. 396-402 (1995)
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[Publications] T.Morita: "The disraptive effects of ketamine on passive avoidance learn" Psychopharmacology. 116. 40-44 (1994)
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[Publications] T.Morita: "Effects of repeated ketamine administration on muscarinic acetglcholive receptor" J.J.pharmacol. 61. 149- (1993)
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[Publications] Uchihashi Y.: "The repeated ketamine adminis tration induces an enhancement of its stimulaut action of mice"