1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671372
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
森下 一 徳島大学, 医学部, 助教授 (50035474)
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Keywords | 思春期発来 / 真性早発思春期 / 視床下部 / 神経細胞の成長 / オートラジオグラフィー / 雌ラット |
Research Abstract |
我々は新正仔期雌ラットにdanazolを単回皮下投与すると真性早発思春期が誘起されることを明らかにしたが,正常雌ラットと真性早発思春期雌ラットとの間で発育段階で視床下部神経諸核の成長にどの様な差異があるかを下記の2点について検討し,真性早発思春期,すなわち思春期発来に関与している視床下部神経諸核を明らかにしようと試みた。 1.正常雌ラットおよび真性早発思春期雌ラットにおける視床下部神経諸核の成長に関する研究 (1)正常雌ラット:内側視索前核,前側視床下核の神経細胞は生後10日目で,思春期発来時(生後38日目)と同じ大きさに達した。視索前核視交叉上部,視索前核脳室周囲部,視交叉上核,後側腹内側核,弓状核,背内側核の神経細胞は生後20日目で思春期発来時と同じ大きさを示した。視索上核,室旁核の神経細胞は思春期発来時まで増大した。(2)真性早発思春期雌ラット:視索前核視交叉上部,視索前核脳室周囲部の神経細胞の成長には早期成熟化が認められ,生後15日目で正常雌ラットの20日目の大きさに達していた。他の視床下部神経諸核は正常雌ラットとほぼ長じ成長を示した。以上の所見より,視索前核視交叉上部,視索前核脳室周囲部が思春期発来に関与している可能性が指摘された。 2.正常雌ラットおよび真性早発思春期雌ラットにおける視床下部神経諸核の^3H-estradiolの取り込みに関する研究 正常雌ラット,真性早発思春期雌ラットとも視索前核視交叉上部,視索前核脳室周囲部,内側視索前核,前側視床下核,後側腹内側核,弓状核の神経細胞の^3H-estradiolの取り込みは他の部位と比較して有意に多かった。しかしautoradiographyでは標本を-20℃で6ケ月間露出することが必要であり,現在露出中である。
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