1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671372
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
森下 一 徳島大学, 医学部, 助教授 (50035474)
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Keywords | 思春期 / 真性早発思春期 / 視床下部 / 視索前核視交叉上核 / 視索前核脳室周囲部 / ラット |
Research Abstract |
[目的]我々は新生仔期雌ラットにdanazolを単回皮下投与すると真性早発思春期が誘起されることをすでに明らかにしたが,真性早発思春期ラットと正常ラットとの間で発育段階において視床下部神経諸核の成長にどの様な差異があるかを検討して、真性早発思春期に関与している視床下部神経核、すなわち思春期発来に関与している視床下部神経核を明らかにする。[方法]5日齢にdanazolを単回皮下投与された雌ラット(真性早発思春期ラット)および正常雌ラットの視床下部神経諸核の神経細胞核の成長過程を比較検討した。[成績]正常雌ラットでの新生仔期、乳仔期の視床下部神経諸核の成長は次の3つのパターンに大別される。(1)10日齢ですでに成長を終えている(内側視索前核、前側視床下核、内側腹内側核)。(2)15日齢でほぼ成長を終えている(視交叉上核、背内側核)。(3)20日齢まで成長を続ける(視索前核視交叉上核、視索前核脳室周囲部、視索上核、室旁核、弓状核、後側腹内側核)。一方、真性早発思春期ラットでは内側視索前核、前側視床下核、内側腹内側核、視交叉上核、背内側核、視索上核、室旁核、弓状核、後側腹内側核は正常ラットと同じ成長パターンを示したが、視索前核視交叉上核、視索前核脳室周囲部のみは正常ラットよりも早期に成長し、10日齢で正常ラットの15日齢と、15日齢で正常ラットの20日齢と同じ大きさに成長し、20日齢では15日齢と同じであった。[結論]視床下部神経諸核のなかで視索前核視交叉上核、視索前核脳室周囲部のみが真性早発思春期ラットでは早期に成長を終えることより、これらの神経核が真性早発思春期の病因に関与していることがつよく考えられ、さらに、これらの神経核が思春期発来に関与している可能性が示唆された。
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