1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05671858
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
赤木 正明 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (90093658)
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Keywords | 虚血再灌流障害 / アレルギー疾患 / 活性酸素 / 肥満細胞 |
Research Abstract |
1.ラットをウレタン麻酔し、腹部正中切開ののち門脈を剥離した。門脈を動脈クレンメで20分間結紮し、再灌流1時間後に採血、肝臓、空腸および心臓の採取を行った。血液から好中球の単離を行い、fMLP(40muM)を作用させMCLAの化学発光を指標としてO2^-産生量を測定した。その結果、O2^-産生能はsham operation群との間に有意な差は認められなかった。血中のヒスタミン含量およびカテコールアミン含量をHPLCにより分離し、蛍光検出器および電気化学検出器により定量した結果、sham operation群と比較して有意ではないがないが明らかな含量の増加が認められた。組織ATP量およびヒスタミン含量を測定した結果、特に肝臓および空腸のATP量の減少と空腸のヒスタミン含量の減少が認められた。これは前腸管膜動脈結紮での以前の報告と一致するものであった。虚血再灌流後の組織標本を観察した結果、再灌流1時間後にかかわらず空腸のひどいうっ血と白血球の浸潤沈着が認められた。 2.ラット腹腔より単離した肥満細胞に、O2^-の発生量が多くかつ反応系が単純な超酸化カリウムを作用させた。その結果、濃度依存的で、温度およびエネルギー依存的なヒスタミン遊離を誘発させることが明らかになった。形態的にも膜障害性はなく、生理的な脱顆粒反応を引き起こすことも明らかになった。この結果は、虚血再灌流により組織に沈着した好中球により産生されたO2^-が、その周囲の肥満細胞からヒスタミンを遊離させることを示しており、虚血性炎症の増悪にヒスタミンが関与していることを直接的に明らかにした初めての結果である。
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Research Products
(1 results)