1993 Fiscal Year Annual Research Report
マロン酸合成法等によるPET診断用炭素-11標識薬剤の合成
Project/Area Number |
05671903
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
小川 幸次 北里大学, 衛生学部, 助手 (30050678)
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Keywords | 炭素-11 / サイクロトロン / マロン酸合成法 / alpha-メチル[^<11>CH_3]-脂肪酸 |
Research Abstract |
炭素-11(半減期20分)はPET診断薬剤の標識核種として盛んに利用されている。炭素-炭素結合による標識化合物の合成にマロン酸合成法で代表される活性メチレン基とハロゲン化アルキルとの反応による炭素-炭素結合を利用した合成法を取り上げ,核医学診断に有効と思われる化合物の合成条件の検討と生体内挙動を調べるを目的に研究を行った。 本年度は標識前駆体として^<11>CH_3I(東京都老人総合研究所のサイクロトロンと自動合成装置を使用した)を用い、マロン酸ジエチル及びそのアルキル誘導体を反応基質としたマロン酸合成法によるalpha-メチル[^<11>CH_3]-脂肪酸の合成条件の検討とマウスを用いた生体内分布について調べた。alpha-メチル[^<11>CH_3]-脂肪酸の合成過程には主にアルキル化(^<11>CH_3Iによるメチル化)加水分解、熱分解のの3反応がある。これらの反応最適条件を^<14>CH_3Iで検討した。(1)アルキル化はテトラヒドロフラン溶媒中50℃,10分(2)加水分解はアルカリ存在下120℃,10分,(3)熱分解は加水分解物を酸性化した後、170℃,10分で反応させた時、それぞれ95%以上の高収率で反応が進行した。上記合成条件を用い、3-^<11>CH_3-プロピオン酸、alpha-メチル[^<11>CH_3]-ヘキサン酸、alpha-メチル[^<11>CH_3]-パルミチン酸の合成を行ない放射能収率5〜10%(合成時間約1時間)で得ることが出来た。炭素-14で標識したalpha-メチル[^<14>CH_3]-脂肪酸の主鎖の炭素を3〜16までの化合物を合成し、マウスを用いて生体内分布を調べたところ主鎖炭素数14〜16は心臓に多く蓄積され、カルボキシル基標識の1-^<14>C-パルミチン酸より長く放射能が残ることが解かった。炭素数と脳のDAR変化を調べた結果、炭素数7に最大値を示した。現在、alpha-メチル[^<11>CH_3]-脂肪酸の生体挙動の特徴を調べる目的で標識位置の異なったalpha-メチル脂肪酸(例1-^<14>C-alpha-メチル-脂肪酸)を合成し、alpha-メチル[^<14>CH_3]-脂肪酸との生体内挙動の比較検討している。
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