1994 Fiscal Year Annual Research Report
老人と若者の生活行動における身体機能・意識・行動・かかわる物の統合的研究
Project/Area Number |
05680009
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Research Institution | Ochanomizu Women's University |
Principal Investigator |
富田 守 お茶の水女子大学, 生活科学部, 教授 (00009135)
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Keywords | 動作 / 心拍数 / 血圧 / 生活行動 / 意識状態 / 身体生理機能 |
Research Abstract |
家政学の重要課題である生活の統合的把握の試みとして、生活する主体である人間を中心に、意識状態、身体生理機能、行動や動作、かかわる物的なもののすべてについて、人間と環境との相互作用を統一的、構造的にとらえることを目的とした。また、青年と老年との比較により年齢特性も明らかにしたい。さらに、今年度とくに目指したことは、観察・測定を実際の家庭内で行うことであった。 本研究においては昨年度と同様、2種類のことなる意識状態を設定した。すなわち、余裕ある気持の時と、急ぐ気持の時である。それぞれの意識状態において、作業的生活行動(玉子焼きと味噌汁を作る)を行わせ、その際の心拍数、血圧の測定、ビデオによる行動・動作や、かかわる物(道具、材料その他)の観察と時間、回数等の測定を行った。そのほか、生理的生活行動として食べる行動、余暇的・文化的生活行動として新聞を読む行動をとりあげた。今年度は調べる対象である被験者の自宅を訪ね、自宅での行動を調べさせてもらえた。被験者は若者が4名、老人が1名である。 心拍数、血圧については、変動性は小さかった。一連の行動・動作の中味は多彩であるが生体負担が安定的なやり方をしていると考えられる。また、行動については前年度と同様、老人の熟練さが印象的であった。また、物との関係について、今年度は被験者自身の家庭で行ったので、物の多様性と、物をとりに行く行動様式の個人差が大きいことが特徴点である。自宅なので物の配置が自分の都合のよいようになっており、行動には慣れがみられた。食行動については、著者では急ぐ時に一口分を増やしたり、かむ回数を減らすことがみられた。新聞を読む行動については、急ぐ時には読む部分を減らすことがみられた。
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