1993 Fiscal Year Annual Research Report
現代人の日常生活における潜在的ストレスや疲労蓄積の実態把握とその軽減のための試み
Project/Area Number |
05680010
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
神川 康子 富山大学, 教育学部, 助教授 (50143839)
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Keywords | 実態調査 / 睡眠 / 疲労 / 生活リズム / 睡眠環境 / 現代人 / 夜更し / 高齢者 |
Research Abstract |
本年度は、研究計画に従い、現代人の疲労やストレスと、睡眠を含む生活実態を把握するために、富山県内においてアンケート調査を行った。一般生活者として、20歳以上の男女を対象に幅広い年齢層から、550サンプルの有効票を回収した。調査結果の検討は、適宜1982年に行った同様の調査(620票)の結果と比較しながら行った。また、疲労・ストレスが大きいと思われる在宅高齢者介護の現状についても別に調査し、213票の有効票を得たので、合わせて結果の概要を報告する。 1.現代社会で生活する様々な生活条件の人々の疲労と睡眠 (1)富山県においても睡眠時間は短縮化傾向が認められ、平均7時間10分であった。11年前の調査との比較により、平日で入床時刻が32分、起床時刻が13分遅くなり、睡眠時間は20分程短縮している。休日は、さらに夜更し朝寝坊傾向が強い。(2)女性の社会進出により、生活リズムに性差がなくなりつつあるが、起床時刻は女性が早いことから、睡眠時間が短く、睡眠満足度も低い傾向が認められた。(3)年齢ともに寝つきが悪くなり、睡眠中の中途覚醒も増える傾向があるが、睡眠のとり方が規則的になるので、睡眠満足度は高くなる。(4)肉体的疲労は睡眠の質を高め、目覚めを爽快にするが、精神的疲労は睡眠の質を低下させる傾向が認められた。 2.高齢者介護をしている人の疲労と睡眠 (1)高齢者介護の担い手の9割近くは女性で、60歳代が最も多く高齢化している。(2)介護者の7割以上が肉体的、精神的疲労を訴えており、この疲労の度合が大きいほど睡眠評価も低い傾向が有意に認められた。(3)介護者の睡眠の特徴として、夜間の中途覚醒が挙げられ、3回以上が半数で、0回は4%であった。
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