1994 Fiscal Year Annual Research Report
現代人の日常生活における潜在的ストレスや疲労蓄積の実態把握とその軽減のための試み
Project/Area Number |
05680010
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
神川 康子 富山大学, 教育学部, 助教授 (50143839)
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Keywords | 生活リズム / 睡眠 / 疲労 / 断眠 / 脳波 / 睡眠変数 / 生活行動 / 現代人 |
Research Abstract |
平成5年度の生活実態調査の結果から、現代人の生活リズムが不規則で、夜更かし、短眠型になってきている現状がわかった。これを踏まえて、睡眠時間が日常生活に及ぼす影響を検討するために、生活リズムの乱れの典型的な状態である断眠実験をおこない、その前後の生活行動や、睡眠の内容・パターンの変化と回復の経過を観察記録した。実験は3夜の基準夜記録後、1夜断眠し、続けて3夜の回復夜の記録をおこない連続7夜を1セット(1被験者分)とし、9名の被験者についておこなった。結果の概要はつぎのとおりである。 1.睡眠に及ぼす影響 (1)全睡眠時間は、9名中8名において断眠直後の第1回復夜が最も長く、基準夜3夜よりも、回復夜3夜の睡眠時間が長くなっていた。(2)睡眠の質については、断眠後の睡眠において、基準夜よりも徐波睡眠もREM睡眠も増加するタイプが1名、徐波睡眠のみが増えるタイプが3名、REM睡眠が増加するタイプが3名、どちらも減少するタイプが2名であった。(3)寝つきの良さを示す、入眠潜時は9名中6名に短縮がみられ、2名はかえって延長し、1名は変化がみられなかった。(4)睡眠中の体動は、断眠後の第1回復夜が最も睡眠時間が長くなるにもかかわらず、最も少なくなった。 2.生活行動への影響 (1)朝の心身状況についての主観的評価は、断眠後最も低くなるが、回復夜睡眠ごとに評価は良くなり、9名中、5名は基準夜3夜の評価より、回復夜3夜の評価が良くなり、断眠による疲労は回復したと考えられるが、4名は3夜後も回復しなかった。(2)断眠による疲労を脳波やフリッカー値等による客観的測定方法で検討したところ、断眠直後に疲労が現れるタイプが5名、回復第1夜後に現れるタイプが4名であった。
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