1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05680095
|
Research Institution | Faculty of Education, Kagoshima University |
Principal Investigator |
山本 清洋 鹿児島大学, 教育学部, 教授 (00079245)
|
Keywords | 学校週5日制 / 余暇 / 生活構造 / 生活行動 / 生活時間調査 / 子どもの生活 / 子どもの遊び / 子ども文化 |
Research Abstract |
本論の目的は,学校週5日制が制度化される前年度と施行1年後の2年間にわたる小・中学生の生活構造と余暇や生活に関する意識の変容を分析し,学校週5日制の検討課題を見いだすことにあった。生活時間調査と質問紙法,及び面接法により,調査分析した結果は以下の通りである。 1 余暇や生活に関する認識及び生活構造に関する調査分析の結果 (1)子どもの生活の満足感には学校での生活(クラブへの所属,友人関係がある,積極的な勉強への取り組み)や家庭での生活(親との会話),地域への満足感に加え,積極的な余暇観・余暇行動が強い影響力をもっている。 (2)学校週5日制に関しては好意的に受け止め,実際の余暇活動でも友人との多様な活動を行い,地域の行事にも積極的に参加している。 (3)その結果,自らの生活圏内での余暇活動の諸条件が不備であることに気付いたり,地域で用意された諸行事に対し,計画の段階から参加することを望むようになってきている。 (4)家庭や地域の大人は本制度に好意的ではあるが,現実には学校の成績への不安感があり,自宅での学習時間を増加させ,子どもへプレッシャーを与えている。 (5)地域の諸行事への積極的な参加や家庭の生活での手伝いや家族行動の時間が増えていることから,本制度は家庭や地域の余暇観・余暇行動に対して積極的な機能をもっていることが分かる。 (6)休日土曜日には積極的な余暇活動の時間が増加し,テレビ視聴,ファミコン等の時間の変容は見られない。しかし,スポーツ群(スポーツクラブ所属)は,昼間の時間をスポーツに奪われ,自宅学習時間のピークが午後9時以降になっている。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 山本清洋,武隈 晃: "学校週5日制の余暇的考察" 鹿児島大学教育学部研究紀要. 44巻. 25-33 (1993)
-
[Publications] 山本清洋: "子どものライフスタイルとスポーツ" みんなのスポーツ. 16巻5号. 11-13 (1994)
-
[Publications] 山本清洋: "学校週5日制の実施に伴う子どもの生活変容 -余暇意識、余暇行動の変容を中心とした中間報告-" 鹿児島大学教育学部教育実践研究紀要. 4巻. 103-109 (1994)
-
[Publications] 山本清洋: "今子どもが熱中する遊び-実態と分析-" 児童心理. 49巻1号. 49-54 (1995)
-
[Publications] 山本清洋: "子どもの個性をどう伸ばすか" 体育科教育. 43巻4号. (1995)