1994 Fiscal Year Annual Research Report
運動と音楽が精神状態に及ぼす影響とその個人差に関する研究
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05680098
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
志村 正子 鹿屋体育大学, 体育学部, 助教授 (80091057)
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Keywords | 運動 / 音楽 / 精神影響 / 有酸素運動 / 長期的影響 |
Research Abstract |
これまでに集積したデータを分析し、音楽と運動が精神状態に及ぼす影響に関する研究の学会報告を行った。音楽が精神状態に及ぼす影響は、概して曲の性質によく対応しており、ハチャトリアンの「剣の舞」のような攻撃的かつ躍動的な音楽では、活動性や攻撃性、自己中心性などが増大し、不安度もある程度増大し、社会的愛情は減少していたのに、暗く静かなドップラーの「ハンガリー田園幻想曲」では不安度や活動性が減少し、社会的愛情は増大していた。即興のダンスを伴っても、基本的に気分の変化のあり方は音楽の性質に依存していた。また、音楽の性質によっては、たとえば「ハンガリー田園幻想曲」では内向的な性格の者のみで、状態不安が低減するなど、性格の相違によって精神面への効果が異なる現象も認められた。運動は特に気分を活動的にする効果があったが、躍動的な音楽にもそれに劣らない効果を認めた。活動性以外の気分への影響は音楽の方に多く認められた。 あらたに、2ケ月間程度の有酸素的運動を週2回ペースで実施した場合の精神影響ならびに体力影響を評価した。無酸素能力の増大や体重の減少など体力的にも好ましい影響を認めたが、抑うつや不安の低減など、精神面への好ましい影響は、より鮮明に認められた。 勝敗を伴うか否かの運動の精神影響についても実験的に検討した。音楽が精神状態に及ぼす影響についても引き続き実験的検討を加えている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 志村正子 他: "大学生における音楽の好み及び精神影響と個人的特性" 心身医学. 34(Suppl.). 189- (1994)
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[Publications] 志村正子 他: "音楽による気分の変化と個人差" 日本健康心理学会第7回大会発表論文集. 132-133 (1994)
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[Publications] 志村正子 他: "運動と音楽が精神状態に及ぼす影響" 日本心身医学会九州地方会抄録集. 34. 44- (1995)