1994 Fiscal Year Annual Research Report
胸部デジタルX線画像のコンピュータによる画像認識的解析に関する研究
Project/Area Number |
05680303
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
小場 弘之 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (40186721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥脇 純一郎 名古屋大学, 工学部, 教授 (30023138)
山岸 雅彦 札幌医科大学, 医学部, 助手 (10211624)
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Keywords | 胸部X線像 / 画像処理 / 肺腫瘤影 / 肺気腫 / 肺血管影 |
Research Abstract |
1.肺腫瘤影の良悪性の鑑別に関する研究ーX線学的特徴とデジタルパラメータ 良性40例、悪性40例、計80例の小型孤立性肺腫瘤影の胸部X線像を対象とし、X線学的特徴とデジタルパラメータによる肺腫瘤影の良悪性鑑別について検討した。良性腫瘤影は悪性に比し、形状は整で、濃度が高く、辺縁が鮮明で、スピキュラや血管収束像が少ない傾向があった。腫瘤影の面積Sをもとに半径を設定した多重円構造のウィンドウを設定し、デジタルパラメータを測定した。腫瘤影中央部のDCF-N出力値、腫瘤影辺縁の濃度勾配値および腫瘤影周辺部の濃度値と濃度差エントロピー値を測定し、腫瘤影の良悪性鑑別に有用な情報を得た。今回採用したデジタルパラメータによる良悪性の判別率は78%で、医師の読影による上記のX線像所見によって良悪性を判別した場合の判別率は74%であった。これらのデジタルパラメータは、腫瘤影の良悪性鑑別に関する診断支援に役立つ可能性があると考えられた。 2.胸部X線像を用いた肺気腫の進行度の定量評価 計算機によって胸部X線像上の血管影の太さを自動計測し、その結果を正常例と比較することによって肺気腫の病勢進行度を定量評価するための基礎的検討を行った。胸部単純像上で肋間部に複数のROIを設定し、様々な方向の2階差分フィルタ出力の最大値を出力するMax-DDフイルタを用いて血管影の強調と抽出を行う。その後、孤立点や枝の除去・穴埋めを行い、血管影の太さの推定を行った。正常例および肺気腫例(中等度、重度)の胸部X線像を対象に検討したところ、肺気腫例では正常例よりも血管影の太さの分布が有意に細い方に偏っていた。今後は、各ROIの肺気腫進行度について医師と計算機の評価結果を比較し、本法の臨床的な有用性について検討する必要がある。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 小場弘之、他: "画像診断による問質性肺炎" 治療学. 28. 147-151 (1994)
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[Publications] 小場弘之、他: "感染症と画像診断の実際 肺1)画像診断" 化学療法の領域. 10. 1682-1690 (1994)
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[Publications] 笹岡彰一、森 雅樹他: "胸部X線単純像における良性と悪性肺腫瘤影の鑑別に関する読影実験 - 腫瘤影の特徴分析" 肺癌. 34. 385-391 (1994)
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[Publications] 杜虹、鳥脇純一郎、他: "直接撮影胸部X線写真を用いた肺気腫の進行度の定量評価" 医用画像工学研究会JAMIT Frontier '95 講演論文集. 123-128 (1994)
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[Publications] 鳥脇純一郎: "医用X線像のコンピュータ診断" シュプリンガー・フェアラーク東京, 269 (1994)
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[Publications] 小場弘之: "Annual Review 呼吸器 1994" 中外医学社, 201 (1994)