1993 Fiscal Year Annual Research Report
サンゴ礁破片を含む礁縁砕波流の破壞力とサンゴ岩塊群の波浪減衰効果に関する研究
Project/Area Number |
05680373
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
津嘉山 正光 琉球大学, 工学部, 教授 (50044996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲座 栄三 琉球大学, 工学部, 助手 (90180265)
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Keywords | 礁縁砕波流 / サンゴ岩塊群 / 波浪減衰効果 / 波浪減衰係数 |
Research Abstract |
本年度は研究の初年度に当たるところから、文献調査を行うとともにサンゴ破砕を含む流れが津波遡上流に類似している点に注目して、北海道南西沖地震(平成5年7月)の被災地の海岸の実地踏査を行った。同時に、本年度の研究計画に従い、サンゴ破砕片を含む砕波流の特性解明につながるサンゴ礁海浜の波浪及び流れに関する現地観測と海底サンゴ岩塊群の波浪減衰効果に関する論理解析を実施した。具体的な内容は以下の通りである。 1.現地観測は、予備調査による選定リーフ海岸で岸沖測線上で、高波浪時の波高分布と流れを計測した。その結果、リーフ内の現地波高は、礁縁近傍から汀線に向かって指数曲線的に減衰することが確認され、現行の波高算定式の適用性に関しては、式中の係数値に問題のあることが明かとなった。同時に、リーフ内では汀線に進行して行くにつれて長周期波成分が卓越し、汀線付近では入射波高の3割近くの大きさに達する場合のあることが分かった。流れに関しては、礁縁砕波流が卓越することが明かとなった。なお、測得データの解析には本研究補助金で購入したパーソナルコンピュータ(NEC社製)を用いた。 2.サンゴ岩塊群の波浪減衰効果に関する理論解析は、サンゴ岩塊を粗度と考えたエネルギー方程式で取り扱えることが分かった。その際、摩擦損失係数に対応する減衰係数は、岩塊形状と分布密度に依存することが実験結果による検証より明かとなった。 なお、本年度の研究成果は平成6年度の琉球大学工学部紀要、及び土木学会の海岸工学論文集に投稿し公表の予定である。
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