1995 Fiscal Year Annual Research Report
高効率太陽電池用半導体薄膜材料の開発に関する基礎研究
Project/Area Number |
05680425
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Research Institution | NAGANO NATIONAL COLLEGE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
中澤 達夫 長野工業高等専門学校, 電子情報工学科, 助教授 (70126689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蔵之内 真一 長野工業高等専門学校, 電気工学科, 助手 (50225249)
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Keywords | 太陽電池 / 半導体薄膜 / one-step deposition / 電着法 / 電気めっき / ケミカルバス法 / CIS |
Research Abstract |
平成7年度は主として銅-インジウム-セレン(CIS)系薄膜の電着法による堆積について、特に変換効率の高効率化を可能とする禁制帯幅制御技術の電着法への適用について検討を行った。具体的には硫黄(S)を加えて、CuInSe_2-CuInS_2混晶系を形成することで禁制帯幅を変化させることができた。また、作製した薄膜を用いて基礎的なデバイスとして金属-半導体接合の試作を行った。ケミカルバス法によるCdZnS薄膜の堆積では、前年度までのCdS薄膜での結果を考慮し、よう化物を用いたCdZnSの堆積を試みた。この結果、以下の知見が得られた。 ・銅-インジウム-セレン電着溶液に硫黄源としてチオ尿素を加えた溶液は、沈殿反応を起こすことがわかった。この溶液を室温中で10時間反応させた後、沈殿をろ過した溶液より電着を行った。このとき電着された膜中には、最初に作成した溶液中の硫黄濃度に比例した硫黄が取り込まれた。これによりCu,In,Se,Sの同時電着が可能であることを示した。 ・電着溶液中の各イオン濃度比および電着電位により、CISS薄膜の組成を制御することが可能であることがわかった。 ・電着した膜を真空中で熱処理することにより、カルコパイライト構造を持つCISS薄膜を得ることができた。また、X線回折測定によりCISS膜中のS/Se比に従って格子間隔が変化することを確認した。格子間隔の変化は禁制帯幅の変化を示唆し、電着法において禁制帯幅制御が可能であることを示した。 ・CISS薄膜上にアルミニウム薄膜を真空蒸着により形成し、ショットキーダイオードを作製して、整流性があることを確認した。 ・よう化カドミウムを用いたCdZnS薄膜の堆積では、酢酸カドミウムを用いた場合よりもZnが膜中に取り込まれにくくなることがわかった。また、光透過特性より求めた、ケミカルバス法により作製したCdS薄膜の禁制帯幅は約2.4eVと求められた。
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