1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05680497
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野口 博司 東京大学, 薬学部, 助手 (60126141)
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Keywords | アントシアン / フラボノイド / クズ / エリレター / 生合成 |
Research Abstract |
パセリのCHS制御領域-46〜+8(ATG)とBoxI-IIをGUSにつなぎPUC-19に組み込んだpBTu1-2、ベチュニアのCHS-Aの-800までをCATに繁いだ遺伝子、同様にして金魚草のCHSの-357までをPUC-19に組み込んだ遺伝子をブドウの色素生産株に導入しそれぞれの発現の比較を行った。対照としてCAMV35Sプロモーターを用いた。この発現を調べたところ強弱はあるもののいずれも発現した。さらにキントキニンジンの培養系で2、4Dを加えた増殖培地中と2、4Dを除いた分化培地中で発現を調べたところ何れでも発現が見られ、果たして以上の実験がアントシアンの生産に関与する制御領域のポジティブなコントロールとなるか否か、再考察が必要となった。さらにこれらをタバコ培養系に導入したところイーストエキス処理の有無にかかわらず発現が誘導された。最近欧米では上記の遺伝子をフラボノイドをファイトアレキシンとしないタバコの培養細胞に加えて発現の見られることが報告されており、植物の外界からの刺激に対する応答の複雑さの一環と思われる。クズ培養細胞より刺激に対応してえられたCHSライブラリーから独立なCHSを検索したところ、独立なクローン1-14が得られた。この14はインゲンの5上流と極めて相同性が高く、エリシター由来であることをうなずかせるものだったが、ダイズのchs-1、chs-2との相同性は低く、またパセリのCHSとの比較では全く近縁性がないことは上の結果と考え合わせると、刺激に対応する配列はひとつでなくより緻密な解析を行わなくては植物の応答性を論じることは難しいという結果となった。
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