1993 Fiscal Year Annual Research Report
リパーゼおよびプロテアーゼの有機合成への有効利用に関する研究
Project/Area Number |
05680514
|
Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
宮澤 敏文 甲南大学, 理学部, 教授 (50068152)
|
Keywords | リパーゼ / プロテアーゼ / 第一アルコール / 非タンパクアミノ酸 / 光学分割 / ジカルボン酸 / 位置選択的反応 / ペプチド合成 |
Research Abstract |
第一アルコールの光学分割については、不斉中心に種々の置換基をもつ第一アルコールを多数合成したが、実際に酵素法による分割を試みたものはまだその一部である。これまでの検討により、例えば、2-フェノキシ-1-プロパノールや2-フェニル-1-ブタノール等では、酪酸ビニルをアシル供与体として用いたリパーゼによるエステル交換反応により、高いエナンチオ選択性で分割できる条件を見いだしている。引続き系統的な検討を行い、基質特異性およびエナンチオ選択性を支配する因子の解明を目指す。2.非タンパクアミノ酸の光学分割については、N-ベンジルオキシカルボニル(Z)体のメチルエステルを基質とし、多くのチオールプロテアーゼおよび微生物起源のプロテアーゼを用いた加水分解を検討し、含フッ素アミノ酸を含む多くのアミノ酸を高いエナンチオ選択性で分割し得る条件を見いだすことができた。また、N端無保護のアミノ酸エステルを基質とする場合についても検討を行い、反応時間を著しく短縮できることを認めている。これについては、今後更に検討を深める予定である。3.ジカルボン酸の位置選択的誘導体化については、各種のプロテアーゼを用いたalpha-アミノジカルボン酸のN-Z体のジエステルの加水分解およびパパインを用いたN-Z体のエステル化反応を検討し、いずれの場合も、反応はalpha-位でほとんど位置特異的に起こることを認めた。4.非タンパクアミノ酸を含むペプチドの合成についても、alpha-キモトリプシンを触媒とする微水有機溶媒中での反応について検討を行い、カルボキシル成分として活性型のエステルを用いると、非タンパクアミノ酸の場合についても、目的とするペプチドが高収率で得られることを見いだした。これについては、今後重点的に検討する予定である。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] T.Miyazawa: "Enantiomelic Separation of N-Prcstected Non-protein Amino Acid Esters by Chiral High-performance Liguid Chromatography" Analytical LeHers. 26. 457-473 (1993)
-
[Publications] T.Miyazawa: "Enzymatic Synthesis of Peptides Containing Non-protein Amino Auds II" Peptide Chemistry 1993. 93-96 (1994)