1994 Fiscal Year Annual Research Report
2種類の低分子量アクチン調節たんぱく質の高次構造解析
Project/Area Number |
05680528
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Research Institution | Kyushu Institute of Technogy |
Principal Investigator |
小谷 享 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (20192578)
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Keywords | 細胞骨格 / アクチン繊維 / アクチン調節たんぱく質 / 高次構造 |
Research Abstract |
昨年度にコフィリン活性部位アナログペプチドとアクチンとの相互作用を核磁気共鳴によって測定し投稿したが、データに不備がある旨審査員から指摘されていた。今年度にはそれを補うべくより詳細なNOE解析の実験を行った。新たに得られたデータは従前の結論を補強するものであり、反するものではなかった。そのデータを加えて修正した論文を現在投稿中である。 また昨年の段階では構造決定に十分な量のコフィリンが得られていなかった。今年度にT7プロモーターを持つプラスミドへの組み換えを行い、期待される発現量を得た。このプラスミドを材料にして、現在最小培地での培養条件を検討中である。 また今年度は、プロテアーゼによる限定分解からドメイン構成を予測するアプローチを新たに行なった。コフィリン、デストリンを3種類の異なるプロテアーゼで限定分解したところ、いずれのプロテアーゼによっても分解パターンは両者で異なっていた。一次構造の高い相同性にも関らず両者の高次構造は異なっているという予想を裏づける結果であった。デストリンはトリプシンによる分解で安定な断片を生じたので、その断片のN末端分析を行なって切断部位を同定した。デストリンはC末端側約70残基のプロテアーゼ耐性なドメインとそのN端側約60残基のややプロテアーゼ耐性の低いドメインのふたつのドメインから構成されていると考えられた。一方コフィリンでもトリプシンによる分解が最も有効ではあったが、安定な分解断片としては1種類しか生じなかった。現在コフィリンの切断部位の特定を行なっており、今後ドメイン構成の推定を行なってデストリンと比較する。
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