Research Abstract |
12種のナフトールAS類,プロシオン等の反応染料(0.005〜0.01%),12種のアミン,アミド糖(0.5〜5%)による不活化センダイウイルスの経鼻免疫効果をマウスの接触感染防御試験で調べ,全氣適粘膜のウイルス特異抗原の検出による感染の経時的追跡と血清HI抗体価の変動を判定の目印とし,完全防御を誘出するワクチンを選出した.1:反応染料中,Cibacron blue F3G-A,Cibacron brilliant red 3B-Aは上,又は下氣道に中程度の感染と血清HI価の顕著な上昇変動を見たが,Cibacron brilliant yellow 3G-PとReactive blue 4は略完全に近い感染防御を誘出し高い血清HI価の変動も少なかった.ナフトールAS類中,Naphtol AS,AS-BS,AS-BI,AS-MX,AS-IRG,AS-G群は完全か略それに近い強い防御効果を与え,経鼻免疫により高血清HI価(1:32〜64)を産し,変動しなかった.しかし長大分子のAS-L3G,AS-LGは上氣道の完全防御を誘導したが少数例の下氣道に感染を許した.2:2-Ethoxyethylamine,Hydrazinium,Acetamide,Propionamide,Isonicotinic acid hydrazide不活化物は上氣道に完全か,それに近い防御をもたらしたが下氣道に感染を招いた(3〜5/10例).Diethylamine,Triethylamine,Ethylenediamine不活化物では下氣道は夫々1/10例が感染を許し,上氣道を完全に防衛した.n-Propylamine,2-Methoxyethylamine,1,3-Deaminopropane,Semicarbazideの4種不活化物は上下,全氣道に亘って完全か,其れに近い強い感染防御を達成させた.アミン,アミド不活化物投与の場合は血清抗体価は一様に低かったが(1:8-19),上昇変動は殆ど認めなかった.前群ではVIRUS RNAのRIBOSE OH基を修飾して,後群では該RNA燐酸基をその間隔に合う分子形で修飾した場合に好成績を得たと見做した.次に前者の染料群が具有する多種反応基だけの小分子を不活化剤として用いた能率的化学修飾とその免疫効果を検討する予定
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