1993 Fiscal Year Annual Research Report
2次元相関法による心室・房内血流速ベクトル局所心筋壁運動ベクトルの計測
Project/Area Number |
05680759
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
関岡 清次 三重大学, 医学部附属病院, 助手 (30201586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 文隆 三重大学, 工学部, 助教授 (00115560)
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Keywords | 心エコー / 局所心筋壁運動 / 2次元相関法 / 高フレームレート / 壁運動2次元ベクトル |
Research Abstract |
高フレームレート心エコー画像(60〜89フレーム/秒)の超音波断層画像を640*512の解像度、6bit階調の輝度で改良された超音波装置より光磁気デスクに記録し、約20*20ピクセルの関心領域(ROI)を心内膜を含む心筋壁に数個設定し、1心周期に渡り2次元相関法を用いて追跡させた。相関係数は駆出期、拡張早期、心筋壁の変形が大きい時相で0.7前後に低下し、超音波エコーの分解能の特性である、ビームに垂直方向、測方向分解能の低下に対応してこの方向に運動追跡エラーを生じる傾向が判明した。超音波エコー画像での2次元相関分布はランダムに輝度値を与えたシミュレーション画像に較べ、尖度が低い画像を呈し、心筋壁の変形の大きい時相ではより著明となる。このため、相関法に、改良を加え、一片が2倍長のROI、初期画像との相関、運動ベクトルの連続性を考慮した移動方向の重み付けを加え、ほぼ良好な追跡が可能となった。精度の検討のため8人の人間による追跡と比較したがほぼ近似した追跡が可能であった。種種の臨床例を用いて、評価したが、心筋壁運動の自動追跡が可能で病態をよく反映した。即ち心筋梗塞や不整脈では局所的な壁運動の低下が客観的に定量的に計測される。CTやMRIに較べ、高時間分解能で計測可能で刺激伝導系の異常や不整脈等の解析にも使える可能性がある。心筋壁運動機能評価の有用な手法となり得ると考えられる。本結果は平成6年度日本循環器学会総会(3月東京、演題:高フレームレート心エコー画像からの局所心筋壁2次元運動ベクトルの計測)、ME学会総会(5月高松、演題:超音波心エコー画像における相関法を用いた局所心筋壁の2次元運動の定量化)で発表される。 マイクロバブルを用いた心腔内血流の可視化と2次元血流ベクトルの計測は精度の検討、手法の改良、問題点を現在検討中で今後研究を進める。
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