1993 Fiscal Year Annual Research Report
ラットの系列パターン学習における短い試行間間隔による文節化に関する認知的研究
Project/Area Number |
05710060
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Research Institution | Tokai Women's University |
Principal Investigator |
矢澤 久史 東海女子大学, 文学部, 助教授 (20182313)
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Keywords | 系列パターン学習 / 分節化 / 試行間間隔 / 認知 / ラット / 報酬 |
Research Abstract |
(1)本研究ではラツト10匹に対し第1試行では14ペレット,第2試行では7ペレット,以下3,1,0というように直線走路の目標箱で与えられる報酬用ペレット数を項目とする。14-7-3-1-0系列を提示し、短い試行間間隔の挿入位置と分節化との関係について検討した。 (2)12日間の実験順化(食餓制限,ハンドリング,走路探索)の後,習得期の訓練を108日間行った。習得期では試行間間隔に(ITI)条件によって分けられた良分節群、悪分節群,無分節群の3群のラットに対し5試行からなる14-7-3-1-0系列を1日3回(15試行)与えた。 (3)良分節群では0と14の間のITIのみが15秒と短く,それ以外のITIは15分であった。つまり14-7-3-1-0/14-7-3-1-0/14-7-3-1-0-(-は15分ITI,/は15秒ITIを示す)が与えられた。 (4)悪文節群では短いITIが3と1との間に挿入された(14-7-3-/1-0-14-7-3-/1-0-14-7-3/1-0)。 (5)無文節群では15試行をすべてのITIを15分で行った(14-7-3-1-0-14-7-3-1-0-14-7-3-1-0-)。 (6)実験の結果,良文節群での0レペット予期が優れていたのに対し,悪文節群の0ペレット予期は悪いことが示された。 (7)この結果から短いITIが分節手がかりになること,さらに短いITIの挿入位置と系列の構造が一致しているときに分節化が促進されることがわかった。
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