1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05740355
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
梶井 克純 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (40211156)
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Keywords | C_<60>分子 / エキサイプレックス / 溶媒和電子 / 電子付着 |
Research Abstract |
C_<60>分子の無極性溶液中において、308nmパルスレーザー照射により効率良く励起3重項状態が生成することが明かとなった。またイオン化電位の比較的低いアミン(トリエチルアミン;以下TEAと略す)を加えて光励起を行ったところ期待される3重項へのTEAからの電子移動は起こらず、電子励起1重項状態とTEAが反応しエキサイプレックスを形成することが明かとなった。このエキサイプレックスは基底状態のC_<60>分子と反応し300〜500nmに光吸収帯をもつ安定な物質を与えることが明かとなった。またテトラメチルパラフェンレンジアミン(TMPD)と共存した系において光励起を行うとTMPDが光イオン化し放出された溶媒和電子が反応することを見出した。また種々のC_<60>濃度で実験を行いC_<60>溶媒和電子との反応の速度定数を調べたところkappa=(2.6±0.4)×10^9M^<-1>S^<-1>という結果が得られこの速度から判断するとこの反応は電子付着反応であると推論される。
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