1993 Fiscal Year Annual Research Report
成長速度に異方性をもつ結晶を利用した微小部品の作製
Project/Area Number |
05750116
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中本 剛 名古屋大学, 工学部, 講師 (30198262)
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Keywords | 微小部品 / 結晶成長 / 成長速度の異方性 / ヨウ素酸リチウム / 高アスペクト比 |
Research Abstract |
最近,mumオーダの機械部品の作製が注目を浴びている.これらの研究は半導体リソグラフィの技術を応用したシリコンでできたマイクロストラクチュア作製がその始まりとされている.これらの部品を実用に供する場合,シリコン以外の素材でできた高いアスペクト比(高さ/幅)をもつ微小部品の作製が必要になることがある.このような目的に合致した方法として,SOR光を利用したLIGAプロセスがあるが,この方法では,作製のための設備が高価になり,手軽に使用できない欠点がある. 本研究では,高いアスペクト比をもつ微小部品を簡便に作製する方法を開発することを目的とした.そのための手法として,まず最初に,結晶方向によって成長速度に大きな差をもつ単結晶を使って高アスペクト比の型を作る.次に,この型を基にして電鋳加工などを行うことによって高アスペクト比をもつ微小金属部品を作製する方法を使用した. 本年度は,これらの工程のうち,高アスペクト比の型を作る工程について検討し,方向によって成長速度が著しく異なる単結晶として,ヨウ素酸リチウムを使用した.結晶端面に写真製版法を応用してパターンを描き,その後,ヨウ素酸リチウムを飽和させた水溶液中で結晶を成長させて,結晶端面と垂直な方向に高いアスペクト比をもつ構造の作製が可能かどうかを検討した.その結果,結晶端面と垂直な方向にはパターンの形状のまま成長することはなく,六角柱状の単結晶として成長する.しかし,かなりアスペクト比の高い構造の作製が期待できることがわかった.そこで,最大成長速度をもつ方向をそろえた多結晶の端面にパターンを描き,パターン形状のまま,最大成長速度の方向に高いアスペクト比をもつ構造を作製することを検討している.
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