1993 Fiscal Year Annual Research Report
水素終端シリコン単結晶表面の超平坦化加工現象の数値解析
Project/Area Number |
05750118
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
後藤 英和 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (80170463)
|
Keywords | 第一原理分子動力学 / 密度汎関数理論 / 平面波基底 / 擬ポテンシャル / シリコン単結晶 / 表面原子ステップ / 超平坦化加工 / 純水 |
Research Abstract |
1.材料表面反応現象の第一原理的分子動力学シミュレーションを行うための計算機プロクラムの開発を行った.局所密度汎関数法,擬ポテンシャル,および平面波基底関数を用いた.これをシリコンバルクの物性計算や(001)表面2×1再構成表面の動力学シミュレーションに適用し,定量的信頼性を確認した. 2.材料表面反応特性を予測し,反応プロセスの設計指針を与えるための物理量として,局所エネルギーとボンドポピュレーションに着目し,平面波基底関数を用いた場合の解析方法を定式化し,計算プログラムを開発した. 3.シリコン単結晶(001)水素終端化表面について,単原子層ステップの存在しない表面と存在する表面の各々について,水分子および水酸基イオンを1個から最大4個作用させた状態の第一原理分子動力学シミュレーセョンを行った.その結果から反応特性を明らかにし,超平坦化加工現象の加工機構について考察した.結果をまとめると,以下のようである. (1)水素終端化表面は化学的に不活性で疎水性であるが,安定に水分子が作用できる位置が存在する. (2)単原子層ステップ端原子付近に水分子が作用すると,ステップ端原子は不安定化し除去加工されやすくなる. (3)水分子よりも水酸化イオンの方が表面との反応性が高い. (4)水素終端化表面単原子層ステップ端に水酸基イオンが作用すると,ステップ端シリコン原子との化合物が形成され,シリコン原子は除去加工される. (5)作用する水酸化イオンの数が増加すると,シリコンの原子間結合の及ぼす影響は大きくなるが,その影響は第1層以下の下層部まで及ぶようになる.
|