1993 Fiscal Year Annual Research Report
位相共役光を用いた超精密3次元曲面の自動形状計測に関する研究
Project/Area Number |
05750119
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高谷 裕浩 大阪大学, 工学部, 助手 (70243178)
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Keywords | レーザ応用計測 / 形状計測 / 超精密3次元曲面 / 位相共役光 / 光屈折性素子 / 縮退4光波混合 |
Research Abstract |
高精度金型加工の高能率化を図るためには,超精密3次元曲面形状評価をインプロセスで行うことのできる,高速で高精度なレーザー応用自動計測技術の開発が必要である。そこで本研究では,位相共役光の特性と高精度なマイケルソン干渉計を応用した超精密3次限曲面の測定評価法の開発を目的とするものである.本年度はまだ十分明らかになっていない位相共役光発生の基本特性を調べるため,以下のような実験を遂行した. (1)位相共役光発生の基本特性を調べることを目的として光屈折性結晶の1つであるBSO(Bi_<12>SiO_<20>)とアルゴンレーザーを光学系を設計・制作した。また、前進ポンプ光および後進ポンプ光をBDSO結晶に対向させて入射し,さらにプローブ光を入射して,プローグ光の光路を逆向きに進行する位相共役光を発生させる縮退4光波混合実験を行い、位相共役光の発生を確認した。 (2)前進ポンプ光,後進ポンプ光,プローブ光の各強度が位相共役光強度に及ぼす影響を調べるため,前進ポンプの光路上にNDフィルタを挿入することによってBSO結晶に入射する前進ポンプ光の強度を変化させたときの位相共役光強度を測定した. (3)レーザー出力強度および波長が位相共役光の発生特性に及ぼす影響を調べるため,レーザー出力を20mWから20mWずつ1500mWまで変化させ,さらにレーザー光波長を457.9〜514.5nmまでの間で8段階変換させた場合の位相共役光強度を測定した. (4)ブローグ光のBSO結晶への入射角度が位相共役光の発生特性に及ぼす影響を調べるため,プローブ光の入射角度を10〜50度まで変換させたときの位相共役光強度を測定した. これらの実験の結果,位相共役光の発生特性として以下のことが明らかになった. ・位相共役光はレーザー出力40mW,波長524.5nmの時最も効率よく発生し,波長が短くなるとともに効率が低下する. ・位相共役光強度はプローブ光の入射角度が大きくなるに伴い大きくなるが,入射角度16゚で最大値をとった後は入射角度の増大とともに減少し,入射角度50゚ではほとんど検出されなくなる.
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