1993 Fiscal Year Annual Research Report
対称・非対称分岐点における分岐方向ベクトルの計算法
Project/Area Number |
05750461
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
廣瀬 康之 岐阜工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助手 (50218848)
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Keywords | 座屈 / 耐荷力 / 分岐座屈 |
Research Abstract |
構造物の不安定現象として座屈現象がある。なかでも分岐座屈とは、荷重-変位つり合い曲線が分岐点において複数に枝別れする現象である。構造物の座屈特性を究明する手法としては、荷重-変位つり合い曲線を連続的に計算し、前座屈、後座屈の各段階における変形性状を検討していく方法が採用されることが一般的である。 分岐点において、荷重-変位つり合い曲線の追跡方向は、基本経路に沿うものと、分岐経路に沿うものとがある。軌道追跡型の解析方法であれば、追跡したい経路の接線ベクトルを要求されるのである。従って、基本経路と分岐経路の2組の接線ベクトルを算定可能な方法を準備しなければならないこととなる。接線ベクトルの近似値が得られれば、そのまま延長し、分岐点後方の近似解を得る。この近似解を各経路に収束させる事は容易である。 分岐点においては、荷重-変位つり合い曲線上の特異点となり、増分一次つり合い式が特異(行列式=0)の状態となる。このような基礎的で微妙な数値解析を行うため、32ビット高速CPUを装備させたパーソナルコンピュータを購入し、解析プログラムの開発補助とデータ入力業務のために研究補助員を依頼した。 基礎式として増分一次つり合い式のみを仕用する立場に立脚した、軌道追跡型の解析方法に適応し易い手法を検討した。検討した方法は,分岐点からある一つのパラメータx_iをDELTAx_iだけ遷移した仮想平面を設定し、この平面上で接線ベクトルを算定しようというものである。(支配方程式の本数*パラメータ数)通りの接線ベクトルが算出されるが、対称分岐においては、これらが基本経路方向、分岐経路方向、不能の3パターンに分類できる事が判明した。今後、非対称分岐点における確認と、より実用的な手法にしていくため、安定的に追跡したい経路の接線ベクトルが得られるアルゴリズムの研究が必要である。
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