1993 Fiscal Year Annual Research Report
ムライトとアルミニウムの反応焼結による高温機能複合材の製造
Project/Area Number |
05750617
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
渡 孝則 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (10136541)
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Keywords | カオリン / アルミナ / アルミニウム / 炭化ケイ素 / 複合体 / 反応焼結 |
Research Abstract |
朝鮮カオリンとアルミニウムとの反応をベースにし、これは窒素雰囲気下または炭素混合により行い、次の結果を得た。 1.朝鮮カオリンは1100℃で次式に示す熱分解によりムライトとシリカを生成し、これらの分解物とアルミニウムとが反応することがわかった。3(A1_2O_3・2SiO_2)→(3A1_2O_3・2SiO_2)+4SiO_2。 2.朝鮮カオリンとアルミニウムの混合物を窒素雰囲気下で加熱し、3(3A1_2O_3・2SiO_2)+8A1+4N_2→13A1_2O_3+2Si_3N_4の反応によりアルミナ/窒化ケイ素複合体の合成を試みた。1150℃でアルミナ、ケイ素が、1300℃でアルミナ、ケイ素、窒化アルミニウムが、1400℃ではアルミナ、アルミニウム、ムライト、ケイ素が生成した。 3.(朝鮮カオリン+アルミニウム)混合物にカーボンブラックを混合・加熱し、3(3A1_2O_3・2SiO_2)+8A1+6C→13A1_2O_3+6SiCの反応によりアルミナ/炭化ケイ素複合体の合成を試みた。窒素雰囲気下の生成相は、1200℃でムライト、アルミニウム、1400℃ではアルミナ、アルミニウム、ケイ素、窒化アルミニウムであり目的の生成相は得られなかった。ところがこれをアルゴン雰囲気下、1400℃で加熱すると目的のアルミナ/炭化ケイ素複合体を合成することができた。しかし、得られた複合体は約40%の気孔を含む多孔体となった。そこで、これを緻密化するためにケイ素金属を溶浸させたところ、成形体の上部にのみ溶浸が起こりその部分のみ緻密化できた。成形体全体を緻密化するには作製条件をさらに検討する必要がある。
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