1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05760229
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
菊川 馨一朗 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 講師 (40169818)
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Keywords | osteochondrodysplasia / chondrocyte / glycogen / phosphorylase / Glucose-6-Phosphate Dehydrogenase / Glucose-6-Phosphatase |
Research Abstract |
当教室で維持している骨軟骨形成異常症ラット(ocd/ocd)は、軟骨の細胞外基質とその構成成分であるグリコサミノグリカンの減少を示す致死性の矮小症に属する疾患である。以前の研究で、ocd/ocdの骨端軟骨は、in vivoでグリコサミノグリカンの減少を示すと同時にグリコゲンの軟骨細胞内への局所的な蓄積が観察されている。更にocd/ocdの軟骨細胞を培養すると、形態的にグリコサミノグリカンの合成と放出が観察されるようになるが、グリコゲンは+/+に比べて著しい蓄積していることが認められている。このように、軟骨細胞でのグリコゲンの蓄積とグリコサミノグリカンの減少を同時に示す疾患は、報告されておらず、軟骨におけるグリコゲン代謝の解明に重要な疾患動物であると考えられる。今回の研究では、グリコゲンの軟骨細胞への蓄積の原因を探るため、ocd/ocdととocd遺伝子をもたない+/+ラットの軟骨細胞の培養細胞を用いて、各種のグリコゲン代謝酵素の局在を組織化学的に検出する実験が行われた。 検出酵素としては、各種のグリコゲンの分解系であるRhyosphorylaseとGluose-6-Phosphate Dehydrogenase(G6PD)、及びGlucos-6-Phosphatase(G6Pase)の検出を試みた。その結果、G6PD及びG6Paseには、ocd/ocdと+/+とも同様な染色性を示したが、Rhosphorylaseに対するEranko & Palkama法(1961)、総活性とRhosphorylase Aの活性型を検出するTakeuchi法(1956)のいずれの方法でもocd/ocdの軟骨細胞の染色性は+/+に比べ若干弱い染色性を示した。これらの結果から、ocd/ocdではRhosphorylaseの異常により軟骨細胞にグリコゲンが蓄積すると考えられた。現在、染色の再現性やグリコゲン合成系の酵素の検出を行っており、今後、in vivoとの比較やこれらの酵素の活性の測定も行い、ocd/ocdにおけるグリコゲン代謝異常の原因を探る計画である。
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