1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05770083
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
河本 健 高知医科大学, 医学部, 助手 (50224861)
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Keywords | ステロイド18水酸化酵素 / ステロイド11beta水酸化酵素 / アルドステロン合成 / コルチゾール合成 / コルチコステロンメチルオキダーゼ欠損症 / ステロイド11beta水酸化酵素欠損症 |
Research Abstract |
最近、我々はヒトのステロイド18水酸化酵素(P-450c18)とステロイド11beta水酸化酵素(P-45011beta)のcDNAをクローニングし、培養細胞で発現されてその酵素活性を明らかにした。これらはアミノ酸レベルでのホモロジーが93%と非常によくにており、酵素活性もかなりよくにていた。従って、アルドステロン合成の調節機構を解明するためには、これらの遺伝子の発現制御機構の違いや、これらが関係する代謝異常疾患について明らかにすることが重要である。P-450c18とP-45011beta遺伝子は、エクソンおよびイントロン部分で極めて高いホモロジーを持つのに対し、プロモーター領域では50%以下のホモロジーしか持たない。これらのプロモーター領域から一連の異なる長さの欠失変異体を作成してレポーター遺伝子の上流につなぎ、さまざまな細胞に入れてプロモーター活性について検討したところ、P-45011betaプロモーターは、副腎皮質由来のY-1細胞でのみcAMP依存的に発現し、一方、P-450c18プロモーターは、Y-1細胞でも非常に低い活性しか示さないことが判明した。現在、P-450c18の発現について、副腎皮質の初代培養細胞やアルドステロンを産生する細胞株であるNCI-H295を使用して検討中であるが、細胞の培養が難しい上に増殖速度も遅く、発現調節機構を調べるのはかなり困難な状況で、まだ良好な結果は得られていない。一方、P-450c18あるいは P-45011betaの欠損症ではないかと考えられる症例について、ゲノム遺伝子の解析を行ったところ、コルチコステロンメチルオキダーゼ(CMOI&II)欠損症ではP-450c18の遺伝子に、11beta水酸化酵素欠損症ではP-45011betaの遺伝子に変異があることが判明し、これらの欠損症の実態が明らかになった。
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[Publications] Y.Mitsuuchi et al.: "Congenitally defective aldosterone biosynthesis in humans:inactivation of the P-450c18gene(CYP11B2)due to nucleotide deletion in CMO I deficient patients." Biochem.Biophys.Res.Commun.190. 864-869 (1993)
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[Publications] Y.Naiki et al.: "A nonsense mutation(TGG[Trp116]→TAG[Stop])in CYP11B1 causes steroid 11 beta-hydroxylase deficiency" J.Clin.Endocrinol.Metab. 77. 1677-1682 (1993)