1993 Fiscal Year Annual Research Report
DNA診断を用いた早期胚性判定法の性差分析への応用
Project/Area Number |
05770243
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
重茂 克彦 山形大学, 医学部, 助手 (60224309)
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Keywords | PCR / Sry / sex difference / early embryo |
Research Abstract |
マウス早期胚磁気における性差を解析するために、PCR法を用いて雌雄診断法について開発を行った。対象遺伝子としてY染色体に特異的なSry遺伝子を選び、404bpの断片を増幅するためのprimerを合成した。正常雄マウスの肝臓より精製したgenemicDNAを用いてPCRによる遺伝子増幅の条件を検討した。増幅された標的配列の検出は3%agarose gelによる電気泳同とEtBrによる染色により行った。上記のprimerにより、30cycle2回のdualPCRを行ったところ、10pgの精製DNAで検出可能であった。これはほぼ2細胞に含まれるDNA量と同等である。この条件を用いて、実際にマウス早期胚について標的配列の検出を試みた。早期短時間交配にて得られた妊娠マウスより、交配後72時間後に子宮潅流により桑実胚から胚盤胞期の胚を回収し、Hanks′液により3回洗浄後、直接胚を反応液のはいったPCR tubeに移し、熱変性の後、30cycle2回のdualPCRを行った。その結果、桑実胚、胚盤胞いずれの初期胚からも標的配列が増幅され、freshな細胞を用いてのマウス早期胚性別診断が可能となった。 さらに、より定量的な性差分析にこの方法を応用するために、スライドグラス上に展開したマウス初期胚の染色体標本を用いた性別診断法を現在開発中である。グラス上に固定された細胞数を算定し、同一標本よりDNAを回収し、PCRにより性別診断を行うことにより、より定量的に性差を解析できると考えられる。染色体標本中のDNAは、標本作成時に用いられる酢酸により脱プリン化され、短い断片となっていることが予想されるため、より短い領域を増幅するためのprimerを現在設計しており、また、効率のよいDNAの回収、精製法を検討中である。
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