1993 Fiscal Year Annual Research Report
成人Still病患者におけるTCRgammadelta型T細胞抗原レセプターの解析
Project/Area Number |
05770336
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
佐野 暢彦 久留米大学, 医学部, 助手 (90235440)
|
Keywords | 成人Still病 / TCRgammadelta型T細胞 / RT-PCR法 |
Research Abstract |
成人Still病は重要なリウマチ関連疾患であるが、未だその原因についてよく解明されていない。申請者は、本症の病因解明の研究の過程において活動期の成人Still病患者2名の抹消血中にTCRgammadelta型T細胞が有意に増加している事を発見した。そして、このTCRgammadelta型T細胞は患者の病態の増悪に伴い急激に増加し、改善とともに速やかに減少した。また、このTCRgammadelta型T細胞は、本症の活動性を示すと言われている血清CRP,ferritinと強く相関していた。さらに、6名の非活動期の成人Still病患者のうち1名以外は末梢血TCRgammadelta型T細胞が増加していなかった。この増加しているTCRgammadelta型T細胞はVgamma9/Vdelta2型TCRgammadelta型T細胞であった(平成5年年度日本リウマチ学会にて発表)。我々はその後、計12名(活動期4名、非活動期8名)の成人Still病の患者でもこのことを確認した。そしてTCRgamma,TCRdelta遺伝子に特異的なプライマーを用いたRT(reverse transcriptase)-PCR法でmRNAレベルでこの増加しているTCRgammadelta型T細胞がVgamma9/Vdelta2型TCRgammadelta型T細胞であることを確認した。現在、以下の方法でこの研究を進めている。1)RT-PCR法及びadaptor-ligation法を用いてTCRgamma、TCRdelta遺伝子のcDNAを増幅し、そしてクローニングしたTCRgamma、TCRdelta遺伝子の塩基配列を決定する。2)抗原認識に関与する部分のアミノ酸配列を検討する事により、本症におけるTCRgammadelta型T細胞が認識する抗原の多様性の解析を行う。3)TCRgamma、TCRdelta遺伝子の解析による本症の診断への可能性について検討する。
|