1994 Fiscal Year Annual Research Report
肺線維症におけるマスト細胞活性化機序の解明-BAL液中のヒスタミン遊離活性とMCAF.SCF
Project/Area Number |
05770395
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 正雄 東京大学, 医学部, 教務職員
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Keywords | 肺線維症 / マスト細胞 / 好塩基球 / 気管支肺胞洗浄 / ヒスタミン遊離 / MCAF / SCF |
Research Abstract |
研究の対象である、全国数施設の特発性肺線維症及び膠原病に伴う肺線維症の患者と、肺線維症を持たない対照群(肺癌などで気管支ファイバーを受けた患者)のBAL液は液性成分と細胞成分にわけて既に検体供与を受けている。現在、これらのうち液性成分について次の検討を行っている。液性成分はそのままではヒスタミン遊離活性は弱く、蛋白成分をAMICON(Centriprep-3)で濃縮しているが、この濃縮の方法で予想外に濃縮度・収率が安定せず、当初は再現性が悪かったが、遠心の方法を改良してやっと濃縮度が安定してきた段階である。濃縮方法の確立と並行して、ヒト末梢血好塩基球に対するヒスタミン遊離活性を検討しているが、濃縮方法の確立までに手間取り、今のところ濃縮処理済みの対象BAL検体数は肺線維症群・対照群とも多くないが、今までの実験結果から判明したこととしては、肺線維症患者・対照群いずれのBAL液もヒスタミン遊離活性を有すること、そして、末梢血のDonorによりヒスタミン遊離率の差が大きいことである。肺線維症と対照群でのヒスタミン遊離活性の差は今のところ明瞭ではなく、今後処理検体を増やして検討していく予定である。また、ヒト肺組織から純化されたマスト細胞からのヒスタミン遊離、およびそれらの遊離に対する抗MCAF、SCF抗体の影響も今後検討する予定であり、細胞成分もmRNAの検討も含めてあと半年程度で終了すると考えている。
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