1993 Fiscal Year Annual Research Report
アンギオテンシン変換酵素阻害薬を長期投与した高血圧自然発症ラットの血管反応性
Project/Area Number |
05770449
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
小川 裕二 旭川医科大学, 医学部, 助手 (60240644)
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Keywords | angiotensin converting enzyme inhibitor,angiotensin II, / bradykinin, / vascular response / hypertension |
Research Abstract |
【目的】アンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)長期投与による血管反応性の改善効果とその機序についてSHRを用いて検討した.【方法】19週齢の雄性SHRにcaptopril 100mg/kg/day、AT_1受容体拮抗薬:losartan 10mg/kg/dayをそれぞれ飲水に加え与え群、BK_2受容体拮抗薬であるHOE 140 500mug/kg/day(osmotic mini pump)+captopril 100mg/kg/dayを与えた群、薬物非投与のcontrol群の4群で検討した。7週間の飼育後に大動脈と上腸間膜動脈を摘出し、serotonin(5-HT),KClに対する収縮反応とacethycoline(ACh)とsodiumnitropursside(SNP)に対する弛緩反応を等尺性張力の変化で評価した。【結果および総括】7週目での血圧値はcaptopril群 138±7,DUP群 144±6,captopril+HOE 140群 146±18(mmHg)でcontrol群の178±6に比し,有意に低下していたが、薬物投与の3群間では有意差はみられなかった.1)Captoprilは,上腸間膜動脈,大動脈の両血管においてKCl,5-HTに対する収縮反応とAChに対する内皮依存性弛緩反応を改善させた.2)Losartanは,上腸間膜動脈においてKCl,5-HTに対する収縮反応とAChに対する弛緩反応を改善させたが,大動脈では有意な変化は認められなかった.また,上腸間膜動脈でみられた改善効果はCaptoprilのそれに比し小であった.3)HOE 140は,上腸間膜動脈においてAChに対する弛緩反応を減弱させた.4)SNPに対する内皮非依存性の弛緩反応は薬物投与の各群で差はなかった.【結論】captopril,losartanともにSHRでみられた異常血管反応性を改善させたが,その効果はCaptoprilの方が大であり,とくに内皮依存性弛緩反応の改善にはACEIのもつbradykinin濃度増加の関与が示唆された.
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